【刺 針】 2008年8月7日付

士別に夜の新名所が2ヵ所誕生している。

 ひとつは上士別の上士別町22線にあるホタルの里=本紙詳報7月23日付=、もうひとつは環境省が主催する全国星空継続観察位置で全道1になった学田丘陵地「満天の星の丘」=本紙詳報7月27日付=である。

 ホタルの里には2度ほど出向いたが、漆黒の闇に神秘的な緑の光を放つホタルの世界に魅了された。

 ゆっくりと舞うように宙を浮遊している光もあれば、一ヵ所に留まって点滅を繰り返す光、かと思えば光が水面に映し出され、幻想的な光彩の世界を見せてくれる。
 このような光の世界観は、かつてもこの地には存在はしていたはずだ。

 筆者の両親は生きていれば、90歳、100歳だが、その両親の口から眩いほどのホタルの乱舞する光景を見たことがあると聞いたことがある。
 だがその話すら両親が若い頃のことである。

 わが国が高度成長を始める昭和30年代には、早くもホタルは過去の話として聞く世界になってしまって、この目で実際に見る機会はほとんどない幻の世界になっていた。
 それが今、現実として目の前に広がっているのである。

 子どもの頃、両親の話と図鑑で見るホタルの世界に憧れた。そんな世界が50歳半ばに達して、ようやっと現実として目の前に広がっている。なんともいえぬ感慨に包まれる。

 もうひとつ「満天の星の丘」、こちらは真黒な満天に無数の星が瞬いている。360度のパノラマは絶景だ。
 下方にわがふるさと士別の夜景を、上空には地球を包み込む星々を眺めながら、果てなき宇宙へのロマンに夢を抱くのも贅沢な一時である。

 ホタルも星も、この地の自然環境がまだ失われていない証左である。

 これは市民にとっても大きな財産だ。地味ではあるかもしれないが、誇れるものである。
 さて今夜もこの2ヵ所のナイトツアーと洒落込みますか。(浩)