【刺 針】 2008年8月12日付
最近市内でも自転車で通勤を始めたという人の話を時折、聞くようになった。
この地方では子どもたちや高校生の通学にはごく普通に自転車を自分の足にするが、大人になると車が足代わりになる。
冬は積雪で自転車を使えないという事情もあるだろう。
だがこのガソリン高、そんなことも言ってられない。夏場のうちに少しでも節約をしておこうという心理的な備えもあるのではと思う。
ガソリンがいから自転車に乗り換えようなどという発想、わが身に振り返って考えてみると、いまだかつてそんなことを考え、自衛策に乗り出したことなどあっただろうか。
もちろん遠出となれば、ガソリンを節約しようという考えは忘れがちで、従来のように乗用車を使うのだけれど、少なくとも身の回りの狭い生活範囲の中では、なんとなくガソリンや灯油を節約しなければ、という気分にはなってきている。
こんなふうに思うのも、ガソリンに限らない、食料品、生活用品などの価格が上昇してきているからである。
政府はしぶしぶという感じで、ようやっと景気後退局面入りを発表した。それでも正式な判定は年明けになるとかで、もうちょっと様子を見てみましょうか、というところである。
でも生活実感としては、ドライブを控えたり、生活用品の消費を倹約する人々が増えている。さらに、この原油高で農漁業の経営に大きな影響を及ぼしたりしている。地方では倒産企業も増加しつつある。
景気の後退というより、経済力の弱体化ではないのかと思わないでもない。
政府は「財政、税制、各種制度など、あらゆる政策手段を総動員して高持続性社会の実現を目指す」とした総合経済対策とする基本方針を発表し、月末には策定に入るようだが、これからも高持続性社会などというものが、本当に保持できるものなのだろうか。
高持続性社会を維持しよう思えば、何らかの国民負担もついて回るような気がしてならないのだが。 (浩)