【刺 針】 2008年8月19日付
政府は先に景気が後退局面に入ったことを認めた。さらに13日には、日本経済がどれぐらい成長しているのかを示す国内総生産(GDP)の速報値が発表され、マイナス成長に転じたとしている。
はたして経済情勢はどのように動いていくのか。原油価格の動向と合わせて、国民誰しも気になるところである。
さて国の命運を握るわが国のトップリーダー、福田康夫首相はメッセージをメールにして国民に送っているが、最新のメールマガジンでは「声なき声を聞く。福田康夫です。」となっている。
メールそのものの発行は内閣府だが、メールの最初に必ず決意表明の短文があり、その後に「福田康夫です」という自身の名前が入るスタイルである。
これまでの決意をいくつか紹介してみよう。
[困難を乗り越えるために。福田康夫です。]
[幸せを実感できるように。福田康夫です。]
[生活者の立場に立って。福田康夫です。]
[生活者財源。福田康夫です。]
[安心して産める社会。福田康夫です。]
実にわかりやすい文言だが、この文言にそって、福田首相がわかりやすい施策を実際に行っているかどうかというと、これはまた別問題である。
実際のところ、困難は増すし、幸せへの実感はますます遠のいていく、生活者の財源は減っていくばかり、地域医療は衰弱しつつあり安心して産めない状況になりつつある。
景気後退局面やGDPのマイナス成長、未曽有の原油高、不動産バブル崩壊の予兆など、国民を取り巻く環境は、いっそう厳しさを増している。
こんな時こそ、それこそ福田首相が表明した決意のように、この声なき声を聞いてほしいのだが、福田首相は「身体全体を耳にして、聞かなければと考えます」と明言しているのだから、声なき声がまもなく届くはずである。
その声にどのように反応していくのか。福田首相は、あきらめずに耳をそばだてていてほしいものである。(浩)