【刺 針】 2008年8月24日付
和寒町は、エゾシカ対策として本年度から有害鳥獣捕獲奨励補助制度を実施。この制度で、新たに狩猟免許を取得する町民に対して、その費用の一部を助成するとともに、エゾシカ1頭の捕獲に対して3万円を補助することにしている。
制度を活用したエゾシカの捕獲が増えてきていることで、9月の町議会定例会に補正予算を計上し提案するのだそうだ。
さて、人々の生活と野生動物に関するトラブル?は全国各地で発生している。
特に自然豊かな北海道では、さまざまな野生動物を見る機会が多い。
そのなかでもエゾシカに関しては、森林の樹皮を食い荒らし木々を枯らせてしまったり、この地方では農作物への被害が深刻化してきている。
エゾシカによる農作物被害は和寒町だけでなく、道内の多くの自治体が頭を痛めている課題だろう。
各地で行っているエゾシカ調査のためのライトセンサスなどでも、この地方の生息数は確実に増加してきている。
それに伴って、エゾシカによる農作物被害も増加の一途をたどっているのが現状だ。
士別市などでは、中山間地域等直接支払制度の交付金を活用して、全市的に電気牧柵を設置。被害額が大きく減少するなど、大きな成果をあげてきている。
その一方で、牧柵を設置している場所と、そうでない場所との被害状況の差が生じるなど、広い地域でみると万全の対応策とも言いきれない。
エゾシカがここまで増加してきた背景には、温暖化による餓死の減少、ハンターの減少、天敵の不在、高い繁殖力、そして保護対策などがその要因とされている。
被害防止の対応策としては、狩猟の規制緩和や電気牧柵、シカ肉の利用拡大など既存対策のほか、オオカミの導入などを訴える声もある。
ただ、地域によって被害の状況などが異なっていることを考えれば、その対策も地域の実情に沿ったものが必要となるだろう。
いまの環境のなかで人と自然が共生していくためにはいくつかの課題もあるが、最終的には人の適切な判断のもとに対策を講じていきたいものである。 (功)