【刺 針】 2008年8月29日付
聴覚に障がいを持つ人たちと健聴者が共同でつくる人形劇の専門グループ「デフ・パペットシアター・ひとみ」の代表である善岡修さんが先日、市内のあすなろ児童館を訪れ子どもたちと交流した。
デフ・パペットは、聴覚に障がいを持つ人たちも楽しめる人形劇をつくるとともに、障がいを持つ人と健聴者の感性をいかして人形劇の新しい表現の可能性を探ることなのだそうだ。
さて、言葉というのはコミュニケーションや表現の手段である。ただ、それがすべてではない。
あすなろ児童館を訪れた善岡さんは、聴覚に障がいを持つ「ろう者」である。
ところが、子どもたちの前に立ちホワイトボードに言葉を一つ、二つ書くだけで善岡さんと子どもたちの間に遊びの空間を作ってしまう。
身ぶり、手ぶりで伝える善岡さんの遊びに、子どもたちはすっかりと夢中になってしまい、大きな歓声がわき起こってしまうほど。
そこには、言葉が聞けないとか、手話が分からないなどといった理屈≠ヘ一切なく、しっかりとしたコミュニケーションが成り立っていた。
善岡さんは、こう子どもたちに伝えていた。
「言葉を使わなくても、お互いにイメージできれば気持ちで話すことができる」と。
言葉が出なければ、手話ができなければ、身ぶりや手ぶりで伝えることもできるだろう。筆談だってある。
肝心なのは、いかに互いを理解し気持ちを伝え合うかという意識を持つことではないだろうか。
そのことは、子どもたちと善岡さんを見ていて感じた。
善岡さんが今回士別に訪れたのは、士別手話サークルの発足30周年記念事業として、9月26日に市民文化センターで講演の前に、市民と交流したいとのことから。
9月の講演では「はこBOX〜おじいちゃんのオルゴール」を披露することになっている。
あすなろ児童館で子どもたちが体験した、楽しい遊びの空間を、多くの人たちにも体験しもらい。
言葉だけでは伝わらない何かを、感じられると思っている。 (功)