【刺 針】 2008年9月14日付

 15日は「敬老の日」である。もともとは、兵庫県のある村の村長と助役が、昭和22年に提唱した「としよりの日」が始まりなのだそうだ。年寄りの知恵を借りて村づくりをしようと、農閑期で気候も比較的おだやかなこの時期にしたという。

 その後、県内、全国へと広がり「としより」との表現はよくないとのことから、昭和39年に「老人の日」となり、その2年後に国民の祝日となった。
 さて、この地方でも敬老の日をはさんで自治会や地域単位での敬老会が盛んに行われる。

 士別市内では自治会単位で敬老会を開くケースがほとんどで、高齢者を招いて食事をしたり、芸能発表をしたりするなど、それぞれが趣向を凝らして楽しいひとときを過ごしているようだ。

 さて、本紙でも取り上げたが士別市の65歳以上の人口は8月末現在の住民基本台帳によると7053人となり、高齢化率は30・87%となった。
 1年前に比べ、人口は447人減少しているにもかかわらず、高齢者人口は104人も増加。高齢化率も1・04ポイントも上昇している。
 特に中央地区以外での高齢化率は著しく高く、朝日地区の43・97%を筆頭として、上士別地区、温根別地区で40%以上の高齢化率となっている。

 離農や担い手不足、経営者の高齢化など、農村部が抱える課題がこうした高齢化率にも表れてきている。

 高齢化の弊害というのはいろいろと取りざたされ、こうした数字だけを見れば悲観的なムードも漂ってしまうが、多くの高齢者が元気に楽しく過ごしていれば、それは地域の活気にもなるのでは。

 「敬老の日」はもともと、豊かな経験を身につけた高齢者たちの知恵を借りて、地域に活力をもたらそうと始まったもの。いまこそ、それを実践するときではないだろうか。
 高齢者たちの確かな経験と、若い人たちの行動力が融合していけば、高齢化率なんて気にかけることでもない。

 最も懸念されるのは、その現象だけとらえ地域全体が委縮してしまうことである。

 そうならないためにも、高齢者の方々にはいつまでも若い気持ちを持って、地域に元気な姿を見せていてもらいたいと願っている。 (功)