【刺 針】 2008年9月17日付
士別市立病院は、ここ数年で医師不足が原因となり、急激に経営状態が悪化してきた。
不良債務は雪だるま式のようにふくれあがり、07年度末で13億2千万円にも達した。
全国的に公立病院の窮状が報道されていることもあり、「市立病院は大丈夫なのか」「病院の経営悪化が市財政にも影響をおよぼしてしまうのでは」と、その内容を懸念する市民も多いはず。
そして何よりも、この地域の医療はどうなってしまうのかという不安が募っていた。
今回士別市が、病院改革プランの素案をまとめ議会で説明した。
累積不良債務については、病院特例債と基金からの長期貸付によって解消を図ることにしている。
さらに、士別市独自の基準を設けて一般会計からの繰り出しを増やし、今後に向けて収支の均衡を保っていく。
改革プランに伴う財政支援の内容を見て感じられるのは、不測の事態にも対応できるようかなりシビアな数字を用いて計画を立てていること。
けっして「絵に描いたもち」のような計画ではないところに、これからの病院経営の健全化に向けて大きな期待を持つことができる。
改革プランに基づく新たな繰入は、08年度で4億4700万となるが、それ以降は2億5千万前後で推移する見込み。
市の財政事情も厳しい状態にはあるが、この程度の繰り出しには十分に耐えることのできる体力を残している。
ただ、財政構造的な改善があって一般会計の収支が好転してきているということではなく、いまだに地方交付税の影響を大きく受けやすいことや、市立病院の常勤医師が今の数で維持できるという保証がないことなど、不安材料は残っている。
それでも、いまの状況を踏まえれば、今回示された改革プランの素案は最善策と言えるだろう。
このプランによって見えた光が、これからより大きな光として輝いてくれることを願いたい。 (功)