【刺 針】 2008年9月18日付

 メディアなどの調査によると、自民党総裁選は麻生太郎氏の勝利がほぼ確実視されている。投票日は9月22日だが、5人も立候補しているのだから、ここは激しい選挙戦を展開して、最後まで勝者が誰になるのかわからないまま、投票日当日を迎えた方が面白いし、国民の注目も集め続けるだろう。

 さすればアメリカの民主党による大統領候補選びのような盛り上がりが出てきて、国民の関心を高まる。

 政党としてはその余勢をかって、総選挙に雪崩れ込み、集票率を高めて衆院選では勝利を―というシナリオを描ければ、最良だ。

 実際には早くも勝者が決まりつつあって、しかも次期内閣の大臣候補まで噂される状況になりつつある。
 こうなると国民の総裁選への関心は薄れてしまうのでは、と思うのだが、ここに至って、総裁選のニュースをしのぐ汚染米の使用や米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破たんなどで、国民の関心は総裁選よりもこちらの方に移りがちだ。
 野党は総裁選に埋没しそうだなどと警戒していたが、警戒が必要なのは、むしろ国民の食の安全や証券会社の破たんがもたらす日本経済への影響である。

 総選挙もこのあたりをにらんで実施していかないと、政党を問わずこれらの問題に足下をすくわれかねない。
 特に世界経済の動きは、未知数だ。

 たぶん、総裁選が終われば、総選挙になっていくのだろうが、1年で崩壊してしまうような内閣では、厳しい世界状況に対応できないのではと思う。 

 次の内閣は日本の命運を握るかもしれない。それほど世の中、差し迫っていると思う。 (浩)