【刺 針】 2008年9月20日付

 図書の朗読録音奉仕に取り組んでいる士別声の図書会が、今年で創立30周年を迎えた。

 士別声の図書会は市福祉事務所と社会福祉協議会が、声の図書活動の取り組みを知ってもらおうと市内の読書、読み聞かせサークルなどに働きかけ、研修会を開催したことをきっかけに1978年に設立した。

 現在は18人の会員が図書を朗読、カセットテープへの録音を行っており、おもに視力に障がいのある人や高齢者に無料で貸出している。
 朗読する図書は、歴史や推理小説、童話やエッセイなどさまざま。

 また地域の話題を提供しようと、市広報誌や議会だよりなどの録音も行っている。
 これまでに録音した作品は1300編を超えており、多くの人たちに活用されている。

 また96年からは「声の年賀状」を視力障がい者に送付するなど、会員たちの細かな心遣いが地域で暮らす障がい者や高齢者の心の支えとなっているようだ。
 近年は保護者や友人たちとのコミュニケーション不足による子どもの孤立化が問題になっている。

 コミュニケーションの一つとして会話は重要な割合を占めるが、言葉で自分を表現することが苦手な子どもたちは会話を避けてしまいがちのようだ。
 一つひとつの言葉にはそれぞれ大きな力があり、時に人を励まし、言葉を交わすことで心を通わせることができ、他者を理解することにもつながっていく。
 さまざまな図書は文面から多くの言葉を学ぶことができるが、障がいなどによって読書が困難な人たちには、声の図書の朗読は貴重な学習の場ともなっている。

 同会では朗読する作品は何度も下読みをし、難しい言葉や時代考証などはしっかりと意味を確認するなど、常に正確な言葉を伝えようと努力しているという。
 今後も会員の声で多くの言葉を伝え続け、息の長い活動を続けてもらいたい。 (奈)