【刺 針】 2008年9月25日付

 横文字で恐縮だが、「ミニマムライフ」という言葉をご存じだろうか。
 筆者は最近知ったのだが、現代の20代の若者たちの生活様式(態度)を示す言葉なのだそうである。
 年収は様々だが、それなりにある人もいれば、中には1千万円を超える若者もいる。

 だが古いアパートに住み、家賃にはあまりお金をかけない。しかも余暇は炊事や洗濯などをして過ごし、お金のかかるようなことはなるべくしない。
 お酒も飲みに行かないし、車にも必要性を感じない。所有しても維持費の少ない車にする。当然、高級車には乗らない。
 生活していくために必要な直接の経費は支出するが、車や贅沢な食事、無駄な飲み会などは余計な経費と考える。
 要は「最少限度の生活」を営む地味な暮らしである。
 だが貯蓄には熱心だ。将来への生活設計もあるのだろう。

 若者たちに車が売れにくくなってきていることや、携帯電話などの利用料金は減少しつつあることなどは、その証左だろう。
 20代の若者たちすべてがこうであるとは思えないが、こういう若者たちが増えていることは、間違いない。

 今の若者たちは、ずいぶんと冷めているのだなあと感じるとともに、こういった生活様式は、当然、わが国の消費の様相にも影響を与えてくるはずだ。
 こういった若者たちは、お金があっても使わない多少なりとも余裕のある人たちかもしれないが、一方では国税庁がこのほど公表した2006年度の民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した給与所得者のうち、年収200万円以下の給与所得者は、前年度と比べ約41万人増え、約1023人となった。
 国民の暮らしぶりが、厳しくなりつつあることも確かだ。

 無駄が経済を動かした高度資本主義という考え方が、もてはやされたことがあった。

 これがさらに進んで、余裕があっても、モノを買わない資本主義は何と呼ばれるのだろうか。 (浩)