【刺 針】 2008年10月1日付

 この地域でのドクターヘリ誘致を目指す、道北ドクターヘリ運行調整研究会が先日、ドクターヘリの飛行訓練を行った。

 飛行訓練では、士別市内で発生した交通事故で要請を受けたドクターヘリが
、河川防災ステーションのヘリポートに降り立ち、患者を旭川市内の病院に搬送するという想定で行われた。

 ドクターヘリは、医師がヘリコプターに同乗し、出動現場や患者搬送中に医療行為を行うもの。
 道が導入を検討している2機目のドクターヘリについて、道東と道北が誘致合戦を繰り広げている。
 誘致運動は道東が先んじているが、「何とか道北にもドクターヘリを」と、道北地方の医療機関や医師会、市町村、消防などで研究会を立ち上げ飛行訓練や試験運行に取り組んできたものだ。

 今回の訓練で、ヘリを要請してから到着までの時間はわずか17分。命にかかわる緊急時には、大きな威力を発揮しそうである。
 研究会の説明によると、「命にかかわることなので、ちゅうちょすることなく要請してもらいたい」「ヘリポートがなくても、ちょっとした広場や、車両等の通行を止めれば一般道での離着陸も可能」とのことだった。

 道北地方は広大な面積を有している。ひとたび大きな事故が発生すれば、病院への搬送にもかなりの時間を要してしまうこともあり得る。
 一刻を争うようなときに、ドクターヘリのような体制が整っていることが、どれほど住民の安心感につながっていくことだろう。
 ドクターヘリを1機配備すると、その維持費だけで年間1億7千万ほどかかるという。いまのところ、その費用は国と道が2分の1ずつ負担するのだそうだ。

 医師不足によって、地方の公立病院から次々と医師がいなくなっている現状を踏まえると、こうした緊急時の体制をしっかりと整えておくことも重要ではないだろうか。

 人の命にかかわることを、金の有る無しだけで片づけてしまわないような論議であってもらいたいと願っている。 (功)