【刺 針】 2008年10月3日付
先日、士別南小学校PTAが行った講演会で、名寄市立病院小児科の佐藤敬医師が講演した。講演のタイトルは「子どもとメディア」だった。
その講演のなかで、フランスのSF作家であるジュール・ベルヌの「人が想像できることは、必ず人が実現する」との言葉を紹介していた。
ジュール・ベルヌと言えば「海底2万リーグ」や「神秘島」などが有名。この物語に登場するのが、ネモ船長が設計したノーチラス号である。
海底2万リーグは、ディズニーが「海底2万マイル」として映画化し、ノーチラス号に載って繰り広げていく冒険の数々に、幼心を魅了されていたのを覚えている。
さて、ジュール・ベルヌの「人が想像できる…」の言葉には、かなり納得できてしまう。
佐藤医師が行った講演に関連づけるとすれば、テレビ、ビデオ、携帯電話、テレビゲーム、パソコンと、さまざまなメディアが短期間で一気に進歩し、われわれの生活のなかで普及してきた。100年ほど前には、SFの世界でしかなかったことが、人の力によって次々と実現されてきているのである。
こうしたメディアが子どもたちの成長に与える影響については、多くの学者や研究者が著書などを発行している。
英国では30年間で情緒障害の子どもたちが70%も増加。米国では、10代の子どもの5人に1人が精神的な問題を抱えているのだそうだ。
日本でもテレビやパソコン、テレビゲームなどのし過ぎによる睡眠不足や慢性疲労を抱える子どもたちが増えてきているという。
こうした現象を見ただけでもメディアの弊害というのが目立ち、子どもたちにとっては「危険なもの」ととらえてしまいがちだ。
ただ、今の時代にあってこうしたメディアをすべて排除してしまうのは、あまりにも非現実的である。
ならばどうすればよいのだろうか。佐藤医師は「新しいメディアに不安になり過ぎない一方で、子どもに対して目を光らせる。無関心がいちばん良くない」とのこと。
技術の進歩をどのように使いこなしていくかが大切なこと。使い方次第では、光が闇になることもあり得るのでは。 (功)