【刺 針】 2008年10月5日付

 すぐる食品が製造した事故米混入の疑いがあるタマゴ製品について、士別市における影響を説明するための市議会全員協議会が、先日行われた。
 士別市農畜産加工鰍ナは、タマゴ製品やバレイショ製品、キャベツ製品などを製造しているが、その93%以上をすぐる食品に販売している。

 農畜産加工は、すぐる食品の技術指導など全面的なバックアップによって、今日の経営基盤を築いている。
 さらに、ここで働く従業員は5人の正職員を含め36人にもなる。
 仮に今回の事故米の一件で、すぐる食品が経営的な打撃を受けてしまえば、農畜産加工の経営だけでなく地域経済にも大きな影響を与えかねないことになる。

 すぐる食品では、事故米混入の原料とは知らずに使用しており、島田化学工業の不正転用・販売の報道によって、自ら自主回収している。いわば「事故米事件」の被害者である。
 正直に自ら名乗り出たことで、返品が相次いだり、取り引きが停止するなど、大きな被害を被ることになってしまった。

 議会の全員協議会のなかで田苅子進市長は「風評被害が拡大するような状況は排除していかなければならない」と話し、議員のなかからもすぐる食品を擁護する声が相次いだ。
 道教委の調査によると、事故米混入の疑いがあるすぐる食品のタマゴ製品を使用したのは81市町村と4道立学校で、その数は132万食におよぶとしている。
 しかし、その後の農水省やすぐる食品などの調査で、対象となる製品はかなり数が減り士別市学校給食センターでの使用は1回だけということが分かっている。
 市では、道教委に対して再調査を申し入れるという。

 全国的規模の大きな出来事に対して、一自治体がどこまで影響力を発揮できるかは定かではない。

 しかし、正しい情報をいち早く発信し、風評被害を最小限に食い止める努力を惜しんではならないだろう。

 この地域の雇用の場と、経済を守っていくためにも、ここからの声が一気に広がっていくことに期待したい。 (功)