【刺 針】 2008年10月7日付
本人が意図しているのかどうかはわからないが、東国原英夫・宮崎県知事というのは、新聞やテレビを実に効果的に利用していると思い知らされた。
失言で(放言?)が影響してか次期総選挙への立候補を取りやめた中山成彬前国交相の選挙区は宮崎1区である。
たまたまではあったかもしれないが、この選挙区の後釜をどうするか。辞任の理由が理由だけに、がぜん全国から注目される選挙区となる。
さっそく後継者として浮上してきたのが東国原知事である。
メディアは毎日のように東国原知事の動静を追いかけ、その発言から立候補の有無を読み取ろうと必死になる。
本人は判断を保留しているような言動を繰り返すから、メディアは本人の決断がはっきりするまで、食いつくように追いかけていく。
その間、東国原知事も宮崎県も私たちの関心事の中に刷り込まれていく。この後継者選びのひと騒動はともに全国に向けてのPR効果が絶大である。
メディアは当分の間は、彼を追い続ける。メディアは彼を無視できないのである。
さてでは中山成彬前国交相は、自分が大臣になった途端に、立候補を断念せざるえなくなることを、問題となる発言をした時点から想定していたのだろうか。
発言時点であまりの単刀直入な内容に、これは確信犯でなければできないという論者が多かったが、まさか大臣になってすぐに政治家を止めることになると考える人はいないだろう。
つまり中山成彬前国交相はまったく先を読めなかった人だといってよい。
同じようにメディアに翻弄される政治家2人だが、これを上手に使う人と使えない人がいる。
私たちが必要としている政治家はどちらのタイプなのだろうか。それとも私たちにまだ知られていない未知のタイプの政治家がこれから出現してくるのだろうか。(浩)