【胃ろう造設術、リハビリの一環で成果】
2008年6月19日付
士別市立病院(吉川紀雄院長)は、口からの栄養摂取が十分にできない患者らに対して、胃に穴を開け底にチューブを通し栄養を摂取する経皮内視鏡的胃ろう造設術(ペグ)を積極的に行ってきている。リハビリの一環として行ってきているペグも、徐々にその効果を上げてきている。市立病院では胃ろうに対する理解を深める目的で、旭川を除く道北地方で初のセミナーを、7月5日に士別市保健福祉センターで行うことにしている。
ペグは内視鏡を使い胃に直接穴を開け、そこにチューブを通して胃ろうを設ける手術。
脳血管障害などの後遺症によって、食べ物を口からうまく飲み込めない、むせてしまうなどの摂食障害を持つ人たちが多くなってきている。
こうした人たちの栄養補給として一般的なのが、点滴や鼻からチューブを入れ栄養を体内に取り入れる方法。
点滴の場合は長時間必要なこと、鼻からのチューブでは誤嚥(ごえん)につながりかねないなどの課題がある。
胃ろうからによる栄養補給は、1日3回程度の短時間で行え、十分な栄養吸収が可能となる。
ただ、胃ろうを設ける手術は栄養補給のための最終手段とした考え方がまだ一般的となっているため、この方法を用いる病院が少ないのが現状。
市立病院では96年からペグに取り組んできており、今年にはNPO法人PDN(ペグドクターズネットワーク)が認定するペグの登録施設となった。
さらに、新たなペグの方法として外科的手技が出てきたことで、今年に入ってからのペグはすでに50症例ほどにも達している。
市立病院では、栄養サポートチームやリハビリの体制が整っていることから、リハビリの一環として摂食障害を持つ患者らに対して、積極的にペグを行ってきている。
胃ろうからの栄養補給を行うことで、寝たきりで食事ができなかった患者が口から食事ができるようになったり、十分な栄養補給によって体力がつき歩けるようになるなど、大きな効果をあげてきている。
市立病院内視鏡センターの佐藤貴幸さんは「脳血管障害の後遺症や加齢による機能低下など、摂食障害を持つ人たちは多い。胃ろうを設けていち早くリハビリにと組むことで、回復は早いよう。その一方で、胃ろうに対する理解が十分ではなく、高齢者施設などで胃ろうを持つ人たちを敬遠するケースもあるよう」という。
そこで、市立病院とNPO法人PDNは、胃ろうに対する理解を深めてもらう目的で第1回上川北部セミナーを7月5日午後1時30分から、士別市保健福祉センターで行う。
セミナーでは、胃ろうに関する道内の第一人者である清水赤十字病院消化器科部長の藤城貴教さんが講演を行うほか、術後管理とケアや市立病院における取り組みなどを紹介することになっている。
一般の参加は無料で、参加希望者は士別市立病院内視鏡センターの佐藤貴幸さん(23−2166)で受け付けている。締め切りは30日まで。
佐藤さんは「後遺症で悩んでいる人たちやその家族、さらには高齢者関係の施設の人たちにも参加してもらいたい」と呼びかけている。