2008年
道北日報
   ヘッドライン
知って得する
  医学の知識
無断転載を禁じます.

変形性膝関節症 その2 -5

士別市立病院診療部長 濱田修医師(整形外科)

 膝(ひざ)関節症の治療法は関節軟骨の減り具合や痛みの程度によって異なりますが、薬物療法、理学療法、装具療法などの保存的治療が基本となります。

 まず薬物療法です。飲み薬は消炎鎮痛剤といっていわゆる「痛み止め」です。痛み止めは病気そのものを治すものではなく、あくまでも腫れや痛みなどの症状を和らげるためのものです。胃腸障害に注意して使い、痛みが和らいだら量を減らしたり休んだりしたほうがよいでしょう。
 塗り薬や貼り薬は患部のみに作用しますので、かぶれたりしなければ長期にわたって使うことができます。

 膝関節に注射して入れる「ヒアルロン酸」という薬があります。ヒアルロン酸の注射は関節の動きを良くする働きがあり、痛みを和らげる効果があります。痛みが和らいでいる期間は個人差があり、2〜3日という人もあれば1カ月近く効果が続く人もいます。

 よく、「飲むヒアルロン酸は効果がありますか?」と聞かれます。「飲むヒアルロン酸」は効果が証明されていないため、医薬品として認められておらず、健康補助食品(サプリメント)として扱われています。「試してみてもいいと思いますよ」としかお答えできないのが現状です。

 理学療法は、関節を温めて動きやすくしてから、膝を伸ばす運動や曲げる運動をします。自宅では入浴時に浴槽の中で正座の姿勢をとるようにし、入浴後に膝の裏すじを伸ばすストレッチを行ないます。正座が出来なくなった場合は、無理にしないほうがよいでしょう。

 装具でお勧めできるのは、外側が厚くなっている足底板という装具です。足底板を付けて歩くと膝の内側にかかる負担が減ります。膝の内側が痛む方は病院でご相談ください。 膝関節症の患者さんからよく「私の膝は治りますか?」という質問を受けます。そのようなとき「○○さんが70歳になったと同じように、○○さんの膝も70歳になっているのです。痛みを和らげる方法はありますから,膝をいたわりながらうまくつきあっていきましょう」と答えるようにしています。

 次回は膝関節症の手術的治療についてお話したいと思います。