2008年
道北日報
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『NST』って何?=クスリ編
                
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士別市立病院薬剤師 大塚雄一郎さん

 病院に訪れる人たちのなかには点滴や注射を希望する方がいらっしゃいます。

 なぜ痛い思いをしてまで点滴を希望するのかと聞くと、「なんとなく気持ちがいいから」「よく効くから」などの答えが多いです。

 点滴というのは、血管から電解質などを含んだ水分をゆっくりと流し込む方法です。1800年代、コレラの病気で下痢や嘔吐がはげしく、水分がどんどん出て行く脱水症に考えられた方法です。点滴法の発明により、それまで脱水症で亡くなっていった小さな子供などがどんどん助かるようになりました。

 点滴に使うクスリのことを病院では「輸液」と呼びます。輸液には数々の種類があります。とくに日本では少し多すぎるほどの数の輸液が、製薬会社より発売されています。これは欧米人に比べてきめの細かすぎる日本人の性格が影響しているためといわれています。

 医師はこれらの“多すぎる”輸液の中から、患者の症状にあった適切なものを選択します。食事は十分とれているか、発熱はあるか、下痢や嘔吐はしていないかなどの問診をもとに輸液の種類を決めます。高齢者や子どもでは、輸液の量や滴下速度の調節が必要になります。
 また輸液は、栄養剤としても発展してきました。栄養の3大要素である、糖質・アミノ酸をバランス良く調合してこれにビタミンや微量元素を含む輸液の開発が始まったのは50年くらい前の話です。これらを高カロリー輸液といいます。さらに脂質を含む輸液を投与することで、重症患者の長期管理に革命的な影響を与えました。

 市立病院の栄養サポートチーム(NST)の活動で、食事が十分に摂れない入院患者には、医師・薬剤師が連携して、栄養輸液などの栄養補給を検討します。また薬剤師は、食欲不振がクスリの副作用によるものなのかなど注意を常に払っています。