【刺 針】 2008年3月11日付
参議院は民主党が政府が日銀総裁に提案した武藤敏郎副総裁の昇格案を不同意とすることを正式に決めており、ますます混とんとしてきた。政府は同一人事で再提案を行うことにしているようだから、国会はさらに混迷を深めるのではと思われている。
そもそも日銀総裁とは何なのだろう。
「日本の中央銀行である日本銀行の代表者の役職名。衆議院と参議院の両議院の同意を得て内閣が任命する」程度のことは、最近の一連の報道からわかってきた。
要するに任命のためには衆議院だけの可決では決まらない。参議院でも可決を必要とする。このふたつのお墨付きをもらわないと、就任できないわけである。
両国会の可決を必要する人事などそうはないだろう。ゆえにその任務の重さは、半端ではない。
日銀とは「政府から独立した立場で金融政策を運営する物価と金融システムの安定を図るのが重要な任務。総裁はその日本銀行を代表する大きな責任を負っている。また世界の金融システム安定化の役割も担う。任期は5年間」となっている。
福田首相が国際社会にあまり影響力を与えないでいるのとは、わけが違う。日銀の金融政策が世界の経済に、その余波は私たちの暮らしにも影響を及ぼしてくる。日銀の考え方ひとつで企業の経営や国民の日常生活が変化してくる場合もあるのである。
で、日銀は物価の安定を図るために大きな役割を担うが、これは政策を推進していく政府と両輪ではなければ、難しい。
その一方の車輪を今、政府は車軸にはめることができず、難渋しているというわけである。
次期日銀総裁が誰になるかは、この国の命運を左右しかねないかもしれないが、庶民感覚としては毎日のように物価が上がっているこの情勢下で、政府も日銀も何をしているの? というのが偽らざる印象である。
国会がますます国民から遊離していく。国民の意識に国会そのものへの喪失感が芽生えるようなことがあれば、この国に未来はないということである。
政治家のみなさん、そんなことがあっていいのでしょうかね。 (浩)