【刺 針】 2008年3月27日付

 福田政権が昨年9月に発足して以来、この刺針欄でこれまでに10回、同政権に関して言及してきた。

 過去の福田首相の発言を振り返ってみると、「言えども行わず」という感は否めない。
 少なくともわが国のトップリーダーである。何をさしおいても国民の生活と安全を守るための施策を積極的に打ち出すのが、最優先課題のはずだ。

 だが最近では支持政党の有無に関わらず、この人にわが国の命運を握らせておいて大丈夫なのだろうかと不安を覚える国民は増えているように思える。
 国のトップ指導者というのは、国民に前途を切り開いていく力強いリーダーシップを発揮できる能力を示していかなければならないはずである。

 国民にどのような苦難が迫っていても、その厳しい状況を乗り越えようとする意欲を奮い立たせるような希望を抱かせるビジョンや理想、逆境を克服していく賢明で頑強な意志こそ、トップリーダーに課せられた天命のはずだ。

 だが最近の発言はまるで国民も政治も我関せずみたいな、国民に脱力感をもたらす内容ばかりが続く。支持率激減を招いているのも、国民にはそんなどことなく頼りげのない政治家への不信が反映しているのかもしれない。

 福田首相はその政権発当時に「国民の皆さんの信頼なくしては、どのような立派な政策も実現できません。皆さんから信頼されるように、よい政策を実現するよう、一生懸命やっていく覚悟です」と所信と決意を明らかにした。

 さらにその後には「経済成長を強化する新しい戦略も考えている」とまで言った。

 「経済成長の強化新戦略? それって、日銀総裁を不在にしておくことなのか。暫定税率を判断中止のままにしておくことか」と思わず突っ込みたくなるような発言である。

 安倍前首相は政権末期に支持率20%台を維持するのがやっとだった。この危険水域に迫りつつある福田首相に起死回生の妙薬はあるのだろうか。 (浩)