【刺 針】 2008年4月3日付
日銀総裁は不在のまま、福田首相はこの空白を解消しようとする動きすら見えてこない。
この総裁の不在が日本経済に、世界経済にどれほどの影響を及ぼすのか、まったく未知数ではあるけれど、「もしも影響を与えなかった」などという結果になってしまったら、福田首相はどうするのだろう。
いささか意地悪な見方がだが、「えっ? 日銀総裁ってお飾りだったの?」なんて言われかねない。そんな恥ずべき事態を回避するためにも日銀総裁空白には早く手を打っておくべきかもしれない。
お次が暫定税率。結局はこの税率、失効してしまって、4月1日からガソリンが下がってしまった。在庫不足を心配してか、都市部では深夜12時にスタンドに長蛇の車列が並んでしまうような状況まで生じた。
これらの政治的失策は最初から読めていたのに、事態を回避できなかったのは、もはや政治が末期的危機を迎えているのではと思ってしまう。
だがここにきて何となく予感めいたものがあって、これは「政治というよりも政党の危機では」というような感じである。
与野党を問わず、やがて既成政党が解体し消滅していくのではという不安である。
無党派層が増え、集票組織を失いつつある政党では、これからいっそう危機感が高まっていくように思えてならない。
自民党や民主党による横断的な政界再編の動きも見え隠れしないわけではないが、この種の政界再編とはちょっと違う感覚だ。
要はたとえば「自民党(に限らず)が消滅するのでは」といった予感である。
福田首相は暫定税率の再可決を行う腹づもりだ。そうなると解散総選挙もありうる。
いささか気が早いが、この選挙がわが国の戦後政治と政党の総決算と既成政党のこれからのあり方を占う試金石になるように思えてならないのである。(浩)