【刺 針】 2008年4月6日付

 士別市の人口がついに2万3千人台を切ってしまった。
 市がまとめた3月末現在の住民基本台帳で、2万2847人となった。

 3月は転出期となるため、1年で最も人口が減少するとき。ただ今回は、前月から279人も減少したため、一気に2万3千人台を割り込むことになった。
 昭和の終わり、1988年の旧士別市と旧朝日町を合わせた人口は2万9942人だった。西児童センターが開館し、翌年に本番を迎える国体ウエリフ競技のリハーサル大会が開かれた年でもある。旧朝日町では、天塩岳避難小屋や運動広場が完成していた。

 それから約20年間、人口減少に歯止めがかからず、およそ7100人もの人たちがこの地域を離れていったことになる。
 過疎の地域は「活気がない」と、よく言われる。

 人が活動することによってにぎわいを生みだし、その集積が地域の活気となるのだとすれば、やはり人が少ないより多い方が、当然のことながら活気はうまれてくるだろう。

 ただし、いくら人の数が多いからとはいえ、その地域で人々の活動が停滞していたとすれば、どうだろう。おそらく、地域をみなぎらせるような活力は感じられないのではないか。

 士別市内はここ数年、景気の低迷や消費の流出などによって、企業や事業所の倒産・廃業、老舗の閉店などが相次いでいる。そのうえ人口の減少だ。

 地域にとって暗い話題ではあるが、こうした空気に翻弄(ほんろう)されるあまり、マイナス要因だけをとらえ、われわれ自身が前進するための活動を忘れかけてはいないだろうか。

 活力は、人が創りだすもの。当然、国や行政の施策のよる誘導策も必要だが、それに頼りすぎれば旧態依然の行政主導型で、これまでと同じ過ちを犯してしまうことにもなりかねない。

 高い峠にも必ず頂上はある。苦しいときの踏んばりこそが、何ものにも勝る力になるはず。

 マイナスをプラスに変える人々の活動が、今のこのときに最も求められているのではないだろうか。 (功)