【刺 針】 2008年4月10日付

 米財務省のマコーミック次官という人が3月下旬に、今の米国のサブプライム問題(信用力の低い個人向け住宅融資)による金融不安や経済の低迷は、バブル崩壊によって不良債権問題に苦しんだ約10年前の日本の状況と多少の類似点があると言ったそうだが、ひと頃に比べ、サブプライム問題がマスコミを賑わすようではなくなってきている。

 専門家によってはサブプライム問題は終息に近いという人もいるようだが、確かに世界的に株価が下がったりするなど不安定な要素は残っているものの、私たち(日本人)には今のところ大きな影響を及ぼしてはいない。
 むしろ年金や物価上昇、医療過疎など身近な生活不安の方が大きく、これから私たちの生活環境が現状維持なのか、悪化していくのかの方が心配である。
 話を戻そう。

 アメリカはかつて日本のバブル崩壊とその後のわが国の苦行の経済低迷を横目で見ながら、わが国がバブルにいたった原因やその影響などを徹底的に研究したと言われている。

 世界が初めて遭遇したケースである。資本主義経済の社会なら他の国でも起こりえないとは限らない。日本のような事態を避けるためにも、わが国のバブルとその崩壊を分析し、将来に備えることは有効である。
 ところがである。世の中、ままならぬ。経済は国家や政府、専門家が備えても起きるときには起きてしまう。

 そして今や中国のバブル崩壊が危惧されている。実際、起きるかどうかはわからないものの、行き過ぎた景気の過熱には、やがて冷や水がかけられることになるはずだ。

 いつまでも景気が沸騰し続けないのは日本、そして米国の例でも明らかである。

 日銀総裁すらなかなか決まらかった今の日本がその時に備えているとはとうてい思えない状況である。  (浩)