【刺 針】 2008年5月8日付

 先日、私・公用を兼ねて東京に赴いた。新宿の都庁前にあるホテルに宿泊した。ここでのバイキングによる朝食で、耳に聞こえてくる言葉に、日本語はほとんどない。

 顔立ちは東洋系だから中国や台湾、韓国の人々だろう。ともかく日本にいてここは日本ではないという奇妙な現実感に襲われる。
 それだけわが国が国際色豊かになったのだろうとは思う。

 帰省後、テレビのニュースで、中国の富裕層による日本へのツアーが話題になっていた。立て続けに2局で見たのだが、彼らのほとんどは家族連れだ。

 中国の年収は平均が10万円前後とも言われている。そんな中で日本にやって来るツアー客の年収は600万円以上。日本円に換算するとほぼその10倍に値するから、年収6000万円以上の人たちだ。

 彼らが立ち寄った秋葉原の電気屋さんで、中国の人々たちに店員さんが日本製ビデオについて「この商品はすべて日本で作っています」と強調しているのである。つまり富裕層の人々は自国(中国)製の電化製品に信頼を置いていないようである。日本製をPRすることも商売の重要な要素のようである。

 そういえば富裕層は国内産より10倍以上もするような輸入された日本産食料品を好んで購入するともいう。これなども自国産の食品を信頼していない証左である。

 つまり中国でのメイド・イン・ジャパンは工業品、食品を問わず品質、安全性が高いという印象なのだろう。
 そんな日本なのに、私たちが購入するもののほとんどは外国製である。

 部品などを含めてすべてがわが国で作られた製品にはなかなかお目にかかれぬ状況だが、最近、どうにも日本製が懐かしくなってきて、メイド・イン・ジャパンの商品が欲しくなってきた。

 かつてのように手軽に日本製の製品が購入できる時代がまたやって来るのだろうか。  (浩)