【剣淵高校:無加温での野菜づくりに成功】
 2010年3月11日付

 剣淵高校の学校農場ハウスで9日に無加温で水管理を行わずに栽培した小松菜の収穫が行われた。「有材心破施工」という土壌の保水力・保温力を高める方法を用いたもので、今後も栽培データを集め地域農業への還元していきたいとしている。

 剣淵高校の学校農場はこれまで花苗の栽培に力をいれていたが、地域農業に即した耕作部門を充実させようと10年度から農場や教育課程の再編を行とし、これまで花苗用に活用していたハウスの土壌の改良するなどして準備を進めている。

 この農場再編の一環として、昨年11月に北海道大学農学部の相馬尅之准教授の指導での特別講習会が開かれた。
 相馬准教授は農地の土壌管理などを専門に研究しており、農場ハウスでの「有材心破施工」を実践した。

 有材心破施工は土壌にバーク堆肥の層を作り、この層が多量の水分を保持して土壌の保水力・保温力を高めるもの。

 これにより冬期間も土壌が凍結することなく地温が一定に保たれ、無加温でのハウス栽培ができるという。
 生徒らは相馬准教授や昨年度から有材心破施工を実践している帯広農業高校の飛谷淳一農場長の指導で深さ50センチほどに掘った溝にバーク資材を投入する作業を行った。
 その後は1坪あたり約1トンの水で灌水させ、11月下旬ごろに小松菜とホウレンソウの播種を行った。
 発芽は夏期と比較して2倍ほど長い2週間となり、その後も少しずつ成長を続けてきた。

 日照不足や冷え込みが厳しい12月や1月でもハウス内の地表面温度は平均6〜8℃となり、日照が増えてきた2月中旬からは地表面温度は平均12℃ほどになった。
 暖房を使わず、水管理も最初の灌水のみで小松菜は17センチほどに生育し、2年生の生徒らが収穫作業を行った。

 収穫した小松菜は生で食べてもみずみずしく甘みがあり、生徒らも「美味しい」と感想を話していた。
 剣淵高校の長沢光技術員は「この地方でも冬期間も野菜を作れることがわかった。水稲農家などで既存のハウスを活用することができるかもしれない。興味のある農家はいつでも学校農場に見学に来てほしい」と話しており、今後は年間の栽培スケジュールや収支データなどを実践検証していきたいとしている。

 また4月にも再度播種を行い、5月中旬ごろにはハウスで育てた小松菜の販売会も実施したいとしている。

 剣淵高校ではこうした新しい栽培技術の実践研究を通して、担い手育成や地域農家への情報発信にもつなげていきたいとしている。