【看護師奨学資金:貸付すでに前年度の2倍】
 2010年4月4日付

 士別市立病院(吉川紀雄院長)が看護師確保のために実施している看護師修学資金の本年度貸し付けが、これまで8件に達している。これは過去10年間で最も多い貸し付け件数。医療系の進学志望が高まってきていることを背景にして、周辺高校への積極的なPRや貸し付け額の引き上げなどが効果をあげてきているようだ。

 士別市立病院は、看護師確保対策の一環として看護学校等に進学または在学中の学生に対する奨学資金貸付制度を設けている。

 卒業後ただちに看護師として市立病院で奨学資金の貸付期間に相当する期間を勤務した場合、奨学資金の償還が免除されることになっている。
 一昨年度までの貸し付け額は月額で大学が7万円、専門学校が5万円だった。
 昨年6月に制度を改正し、貸し付け額を一律7万円にしている。

 01年度は貸し付けがなかったが02年度と03年度は3件ずつ、04年度と05年度が5件ずつ、06年度が6件、07年度と08年度が2件ずつ、そして昨年度が4件の貸し付け実績だった。

 本年度については大学で2件、専門学校で6件、合わせて8件の貸し付けを行っており、すでに昨年度実績の2倍の数となっている。
 特に貸し付け額を引き上げた専門学校生の貸し付けが増えている。
 市立病院の3月1日現在での看護指数は121人。

 前年同期よりも11人減少しており、看護師不足によって休床としている病床の再開に見通しがたたず、それが不良債務発生の大きな要因となっている。
 4月には5人の看護師を新たに採用しており、そのうち3人は奨学資金を借り受けた人たちとなっている。

 看護師の確保を図るため看護部長らが中心となって、周辺高校などで奨学資金をPRしながら勧誘を進めてきている。
 さらに、高校生らを対象とした1日看護体験などを行うなども行っている。

 本年度に奨学資金を貸し付ける8人のうち5人は市外の学生で、さらに1日看護体験に参加した学生も含まれているなど、病院事務局では「医療系への進学志望が高まってきていることもあるが、看護部などの精力的な取り組みと専門学校生に対する奨学資金の引き上げが効果を上げている」とみている。

 看護師確保は喫緊の課題ではあるが、大学や専門学校を卒業する3〜4年後には奨学資金を貸し付けた数だけの看護師を確保できるだけに「奨学資金が将来の看護師確保の土台となり、貸し付け件数が増えてきていることは病院にとってもうれしいこと」と病院事務局では話している。