【馬の飼育頭数、減少の一途】
2008年4月12日付
士別地方で、馬の飼育頭数が減少してきている。昭和40年代前半には、士別市内でも2千頭を超す馬が飼育されていた。しかし、今年2月1日現在に市経済部が行った調査によると、その数は85頭となっている。飼育頭数の減少は、馬を飼う農家の高齢化などさまざまな要因があるが、現在も馬を飼育している農家からは「減少はさみしいこと」との声が聞かれている。
農業が今のような機械化となる以前、トラクターなどの代わりとなっていたのが農用馬である。
そのため昭和40年代前半まではどこの農家でも馬を飼っており、士別市内だけでも2千頭を超す馬が飼われていた。
ところが、農業における機械化が進むにつれ、農家で飼われていた馬もその役割を徐々に失い、次々にその数を減らしてきた。
士別市の調査によると、市内で飼育されていた馬の数は03年が195頭、昨年が101頭、今年2月1日現在の調査では85頭と、ついに100頭を切る数にまで減ってきている。
士別と剣淵で馬を飼う農家では、北ひびき馬事振興会(菅沼良一会長)を組織している。
振興会は立ち上げから4年目を迎えるが、発足当時は32戸だった会員も、現在は27戸にまで減ってきている。
さらに振興会全体での飼育頭数も100頭に満たないのが現状。
農用馬としての役割が無くなった馬は、ばんえい競馬の出走馬として育てるか、繁殖させ肉用の肥育馬として出荷するかなどの限られた道しか残されていないないのが。
ばんえい競馬も今は帯広での1カ所開催のみとなっていることに加え、輸入肉の増加などのによって個体価格も下降傾向にあるなど、馬を飼う環境は厳しさを増してきている。
北ひびき農協酪農畜産部では「現在、馬を飼っている人たちは、まず第1に『好きだから』ということがある。だだし、ばんえい競馬の規模縮小に加え輸入肉の増加などによる採算性の低下、さらには飼育する農家の高齢化などによって、その数が減ってきているのが現状」と、馬を取り巻く環境が厳しさを増してきている状況について話す。
馬事振興会の菅沼会長は「会員1戸あたりの飼育頭数は逆に増えてきているのが、全体ではやはり減ってきている。ばんえい競馬の出走馬育成という点では、この地域は管内でもトップクラスなのだが…。できる限り数を減らさないよう努力していきたい」としている。
士別市内の山岸俊二さん(65)=武徳町45線東9=は、約20頭の馬を飼育している。
「馬には根強い愛着がある。自家飼料を使うなど工夫すれば、それなりに採算が取れるはず。馬を飼うことで荒廃地となるのを防いだり、良質なたい肥を得ることもでき、トータルでみるとたくさんのメリットがある。馬を飼う仲間が少なくなることはさみしい限りです」と山岸さん。
若い農業後継者のなかで馬を飼うような人たちが数多く現れてこなければ、この地域での馬の飼育頭数はこれからもますます減っていきそうだ。