【糸魚小学校:日本建築学会選奨を受賞】
 2010年5月日付

 士別市が06年度から2カ年をかけて建設した糸魚小学校の設計で、2010年日本建築学会作品選奨を受賞した。校舎と体育館を一体化し、トップライトによって太陽光を取り入れた設計は以前から建築家や技術者などから注目を集めていた。糸魚小学校の設計を担当し今回の日本建築学会作品選奨を受賞したアトリエブンク(札幌)の加藤誠常務取締役は「地域にみなさんのバックアップがあったからこそ受賞できた。とてもうれしいです」と話している。

 日本建築学会は建築家など3万5千人以上の会員を有し、建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかることを目的とした公益法人。
 その事業の一環として、日本の建築作品発表の場となる「建築選集」を毎年刊行している。

 建築選集に掲載した作品なかで、学術・技術・芸術の総合的視点から特に優秀である作品を日本建築学会作品選奨として表彰している。
 本年の作品選奨には全国から12作品が選ばれたが、そのなかの一つとして糸魚小学校を設計した加藤さんと金箱温春さん(金箱構造設計事務所代表取締役)、鈴木大隆さん(北海道立北方建築総合研修所環境科学部主任研究員)の3人が受賞した。

 以前の糸魚小学校は老朽化が目立っていたことから、旧朝日町時代に移転改築を計画。
 実際の改築は、合併後の新市となって06年度から2カ年で工事を進めてきた。
 プロポーザルコンペ方式によってアトリエブンクが設計者となり、同社の加藤さんが設計を担当した。

 校舎と体育館を一体化し、校舎内部は地域の基幹産業である林産業の特色をいかし木材をふんだんに使用。ほとんどの教室にドアを設けず、多目的ホールとの一体感で開放的な雰囲気をかもし出している。
 また大きなトップライトで自然光を取り入れたり、外断熱工法を採用している。
 
外観はメンテナンスの手間がかからないガルバリウム鋼材を使ったモダンな雰囲気が特徴的となっている。
 加藤さんは糸魚小学校の設計にあたり構造面で金箱さんに、風洞実験やトップライトの形状などについて鈴木さんに協力を依頼した。
 近年はこうしたスタイルの校舎が増えてきているが、その先駆けとなったのが糸魚小学校。

 芸術性の高い先進的な校舎は、完成後から中国の建築技術者をはじめ国内の建築家、大学教授の視察が相次ぐなど注目を集めている。
 作品選奨の審査では現地調査も行われており、審査講評では「地域特有の条件に対処しながら、必要な機能や地球環境への配慮も含み、持続可能性のある環境をつくりだすことに成功している」と高い評価を得ている。
 校舎の設計を行った加藤さんは昨年に続く受賞となった。

 今回は「この地域の住宅がオール電化や外断熱など寒冷地対策を整えているものが多く、そうした地域性と木材を使用することを意識した。市をはじめ地元施工業者の技術など、地域のみなさんの支援があったからこその受賞だと思っています」と加藤さんは話している。