【北ひびき農協:1市2町の首長と初の意見交換会】
 2010年5月27日付

 地域農業の現状について共通理解を持ち今後の農業振興を図っていこうと、北ひびき農協(佐久間富雄組合長)は25日、1市2町の市長・町長との地域農業にかかわる意見交換会を、士別グランドホテルで行った。意見交換会では担い手対策や鳥獣被害対策などについて意見を交わし、いずれも広域的な取り組みの必要性などについて意見が出ていた。

 1市2町はいずれも農業・農村を基幹産業としている。
 その地域で農業振興の役割を担っているのが、北ひびき農協。
 基幹産業である農業・農村は現在さまざまな課題を抱え、厳しい状況下に置かれている。

 北ひびき農協は、今後の農業振興を図り基幹産業である農業・農村を守っていくためには、行政との連携を深めながら共通する課題について積極的に取り組んでいくことが重要とのことから、今回初めて1市2町首長との意見交換会を開催することになった。
 この日の意見交換会には行政側から牧野勇司士別市長、伊藤昭宣和寒町長、佐々木智雄剣淵町長、そして上川農業改良普及センターの葛西育子士別支所長が出席。
 農協側からは佐久間組合長と西本護専務、大西陽常務、山口茂樹信用担当理事らが出席した。

 意見交換会では最初に佐久間組合長が「組合員の高齢化が進み離農者が増えてきている。いまその対策を考えていかなければ、地域農業は大変なことになってしまう。みなさんの意見をいただきながら、地域農業を守っていく手だてを考えていきたい」とあいさつした。
 意見交換会でのテーマとなったのが、担い手対策と鳥獣被害対策、口蹄疫・シストセンチュウ対策の3項目で、いずれも1市2町の農業・農村が直面している共通課題。

 担い手対策について牧野市長は「耕種農家の新規参入は、初期投資の面で難しい状況にある。1市2町と農協が協力して基金制度を設け、それを貸し付けるなどの対策を考えていかなければならないのでは。農業後継者の花嫁対策なども考えていきたい」としていた。

 伊藤町長は「後継者対策については危機感を抱いている。都市女性農村対策事業を実施しており、昨年度からは新規参入者の掘り起こしを目的に男性もその対象にしている。ただ、冬場の仕事確保など受入体制についても検討していかなければならない」とした。

 佐々木町長は「担い手対策についても行政と農業との一体的取り組みが必要。現在、農業推進会議のなかで対策組織を早期に立ち上げていくことを検討している」としていた。
 このことについて佐久間組合長は「農家数が減少していくなかで、農地を維持していくことも難しくなってきている。法人化を進めることによって規模拡大や雇用の受け入れにもつながっていくのではないか」と話していた。

 1市2町での被害総額が1億円を超えるとされるエゾシカ被害の対策では、牧野市長が「本年度からエゾシカ駆除に対して補助を出しているが、すでに当初計画した150頭分を大幅に超えており、補正予算の計上が必要となってきた。一自治体ではどうにもならない課題だけに、1市2町で専門チームを設けた対応や上川北部などの広いエリアでの対応が必要」と訴えた。

 伊藤町長は「電気牧柵で対応してきたが、シカもそれに慣れてきた。シカの嫌がることを研究する必要がある」とし、佐々木町長も「被害はかなり広がってきている。今後は駆除後の処分方法も考えていかなければならないだろう」としていた。

 宮崎県などで発生している口蹄疫問題については、同じ偶蹄類である士別のサフォーク、剣淵町のアルパカへの感染を心配する意見も出ていた。

 今回初めて開催した意見交換会だが、佐久間組合長は「今後も機会を設けて話し合っていきたい」としていた。