【 口蹄疫対策:侵入防止に対応必死】
 2010年5月30日付

 宮崎県で発生した口蹄(こうてい)疫に関して、士別地方1市2町でもその侵入を防ごうと独自の対応を進めている。各市町の関係機関は畜産農家らに対して消毒液の配布を行うとともに、畜舎への出入りを禁止するなどの対策を講じている。士別市では、毎年実施している愛媛県立農業農業大学校の実習生受入を延期したほか、羊と雲の丘などの観光牧場ではエサやりや接触を禁止するなど、口蹄疫問題は各方面に影響をおよぼしてきている。

 口蹄疫はウイルス性の家畜伝染病で、牛や豚、羊などの偶蹄目が感染する。日本では家畜伝染病予防法において法定伝染病に指定されいる。
 宮崎県で発生した口蹄疫では道内での感染確認はないが、感染力が強く高い伝播性を持つことから、士別地方の1市2町は今月12日に緊急の対策会議を行っている。

 士別地方でもこれから本格的な観光シーズンを迎え、この地域に多くの人たちが出入りすることになり、人などがウイルスを運び口蹄疫がこの地域にも侵入してくることが考えられる。
 そこで1市2町の関係機関では、口蹄疫ウイルスの侵入防止を図るための対応に取り組んでいる。

 士別市では28日に家畜伝染病自衛防疫組合が総会と対策会議を開き、市内での対応策をまとめた。
 その内容は、消毒薬品を各畜産農家に配布し畜舎への出入りの際には必ず消毒することを呼びかけるほか、「関係者以外立入禁止」のプレートも配布している。

 8月に道北地区めん羊協議会が士別で行う予定だった全道規模のめん羊共進会については中止を決めたほか、6月に予定していた愛媛県立農業大学校の実習生(第1班)の受け入れも延期する。
 観光客が集まる羊と雲の丘やかわにしの丘しずお農場などの観光牧場では、放牧場内への立入を禁止することに加えエサやりや羊との接触を禁止している。

 世界のめん羊館でもエサやりと接触を禁止したほか、出入り口には消毒マットを設置した。

 酪農家に毎日飼料を運んでいるデイリーサポート士別の玉置豊社長は「運搬用トラックの消毒、回収資材の洗浄は徹底している。各方面からの視察については、受け付けていない」と独自の対応策を取っている。

 道のふれあいファームに登録している西士別町の多田和宏さんの牧場では「修学旅行生の受け入れなどを断っている。地域が足並みをそろえながら対応していかなければならない。ただ、見えない敵を相手にしているよう感じで、何をしていいのかという思いもある。この地域に侵入しないことを祈るばかりです」と話している。

 士別市経済部畜産林務課では「市内では乳用・肉用牛で1万6千頭以上、豚で約8900頭、めん羊で650頭以上を飼養しているだけに、口蹄疫が侵入したとすれば地域の産業・経済は大打撃を受けてしまう。畜産農家や関係機関も必死になって防疫に取り組んでおり、市民にも協力をお願いしたい」と話している。

 和寒町では自衛防疫組合が畜産農家に薬剤を配布したほか、防災無線を使って注意を呼びかけている。

 剣淵町でも酪農振興会が消毒液を配布し、町内の全戸に口蹄疫発生地への旅行をひかえるチラシを配布した。

 最近人気を集めているアルパカ牧場でも、消毒液を設置するとともに、アルパカへの接触をひかえるよう呼びかけている。