【日本画家・牧月香さんの生前の作品を市に寄贈】
 2010年6月26日付

 大正から昭和にかけて活躍し、士別の茶華道の基礎を築いたとされる牧月香(本名=慶信)さんの日本画約1200点が、士別市に寄贈された。寄贈したのは牧さんの親族と親しかった士別市大通北3丁目の太田重子さん(69)。寄贈された作品の整理・調査を行っている士別市立博物館では「歴史的資料としてその価値が期待される」と話しており、作品の整理がつきしだい市民にも披露することにしている。

 牧さんは現在の石川県出身で、由緒ある茶坊主の家柄だったことから、茶華道をたしなみながら画家を生業としていたという。
 その後北海道へ渡り、のちに華道振興で士別市文化賞を受賞するトヨさんと結婚。

 士別で牧さんが画展を開いたことがきっかけとなり、大正7〜8年ごろ夫婦で士別に移住してきた。

 士別ではトヨさんが精力的に華道の指導を行い、この地域における華道の基礎を築きあげたとされている。

 生前、牧さんが描き残した多くの作品は家族が保存していたが、牧さんの孫にあたる西條紀元さんが20年ほど前に士別を離れる際、西條さんと親交が深かった太田さんがそのすべてを譲り受けていた。

 太田さんは譲り受けた作品を手元に置いていたが、「士別の文化を築いた牧さんの偉業を、地域の歴史として残しておきたい」との思いから今回、士別市に寄贈することになった。

 太田さんが寄贈した牧さんの作品は、明治から昭和にかけて描かれたものと思われ、その数は約1200点にもおよぶ。
 風景画や人物画をはじめ下書き絵など日本画特有の流麗さを漂わせ、多彩な内容となっている。

 牧さんの作品は現在、市立博物館で和紙を使った裏打ちや作品の詳細について調査を進めている。

 なかでも牧さんが道内各地をまわり描いたと思われる海岸線の風景画の数々は「歴史的資料としての価値が期待されるのでは」と市立博物館の水田一彦館長は話している。

 ただ、作品の数が膨大なためその整理・調査作業には「かなりの時間を要することになる」(市立博物館)とのこと。

 市立博物館では、準備が整いしだい、寄贈作品の展示会を行いたいとしている。
 太田さんは「日本画家としての牧さんを、多くの市民に知ってもらうことができれば」と話している。