【市立病院:厳しさ増す経営状況】
 2010年10月8日付

 士別市立病院(吉川紀雄院長)の経営が厳しさを増してきている。7月末現在での収支状況にもとづく本年度決算見通しでは、不良債務が昨年度の約1億7千万円を大幅に上回る可能性がでてきている。今後は病院改革プランの見直しを含め、病院経営の立て直しが士別市の財政にとって大きな課題となっていきそうだ。

 医師不足などで厳しい経営状況に陥っていた市立病院は、08年10月に改革プランを策定。病院特例債の活用や一般会計からの繰り入れによって、当時の累積不良債務を解消するなど経営の健全化を目指してきた。

 ところが昨年度の病院会計決算では1億6900万円の不良債務が発生し、一般会計からの繰り入れで対応している。
 7月末現在の収支状況をもとにした段階での本年度決算見通しでも、入院患者の減少などで昨年度不良債務を5千万円ほど上回る見込みにある。

 さらに中途退職者の増加による退職組合特別負担金として1億円程度の支出が必要となっていることから、前年度を大幅に上回る不良債務の発生が考えられている。

 改革プラン策定後、2年連続で不良債務が発生する見通しの状況では、プランそのものの見直しは必至。
 来年3月で定年退職する吉川院長の後任がまだ決まっておらず、市立病院としては「後任院長の意向も踏まえたプランの見直しを行っていきたい」との考えで、改革プランの具体的な見直し作業はまだ先となりそう。

 当面は本年度に発生が見込まれる不良債務への対応が課題となる。
 その方向性は決まっていないが、市財政課では「仮に一般会計で補てんすることになっても、本年度については繰越財源の活用などで財政的対応は可能
。しかし、次年度以降については財源確保そのものが相当に難しくなる」との見方だ。

 そうした意味でも改革プランの見直しでは、医師や看護師数に見合った病院規模など、不良債務を発生させない抜本的な体質改善が求められるだろう。

 市立病院の経営は市財政にも大きく影響することだけに、今後の経営改善に向けた対応が注目される。