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 あれぇ……フナには熱湯?
         ―……子ども心通じず

 昨年の暮れに牛の皮膚病が顔に感染し、美人薄命の運命に怯えていた私だったが、やはりふだんの行いが良いせいだろう、皮膚病は完治し、私の顔の痣もスッピンでも目立たないほど薄くなった。
 実はこの皮膚病には病院で処方される薬よりもよく効く特効薬がある。
 特効薬と言っても特別なものではない。どこの家庭にも常備されているであろう入浴剤! これこそが皮膚病の特効薬なのであ〜る!!
 これが人間はもちろんのこと、牛にも非常によく効く。本当にワセリンや買った薬よりも目に見えて効果があるのだから入浴剤の効能もバカに出来ない。
 しかし、どんな薬も「過ぎれば毒」とはよく言ったもので、私はこの入浴剤でフナや蜘蛛を殺してしまったことがあるのだ!
 これは子どもの頃の話だが、牛舎の水槽で飼っていたフナがどうにも元気がない。よく見ると体全体に白カビのようなものが付着しているではないか。
 「これは牛にもよく見られる皮膚病だ!」
 幼いながらも牛舎に入り浸って遊んでいた私にはすぐにピンときた。そしてこの皮膚病を治すには入浴剤をこまめに患部に塗ってあげれば治ることをちゃーんと知っていた当時の私は「フナの皮膚病もこれで治せる。そうだよ、私が治してやろう!」と飼い主の使命感に燃え、風呂の湯を洗面器に入れ、そこへフナを捕まえて入れたのである。
するとどうだ。
 あの元気のなかったフナが洗面器に入れた途端に元気一杯に跳ね回るではないか!!
 まったくスゴイ効き目である! 恐るべし入浴剤!!
 ところが程なくして、フナは見る見るうちに弱りきって水面にプッカリ浮かび……そしてまもなく死んでしまった……。
 そういえば、動きの鈍い大きな蜘蛛に入浴剤を注射したときも、蜘蛛は体が四方に破裂して死んでしまったではないか! ああ、なんてことだろう。きっと効き目が強すぎて亡くなってしまったに違いない!(いや、蜘蛛の場合は体の体積以上の量を注射されて爆発したと思われるが……)
 だが、ふと気付くとフナは生煮え状態である。(おい!)
 ……どうやらフナに沸かしたての風呂の湯は熱すぎたようである。元気も何も熱がって暴れていたのだろう……・可哀想に。(笑)
 フナよ! 安らかに眠れ。君の死はけして無駄にはしないぞ!……そう誓って十数年、今、ここに日記のネタとして見事にフナの死は活かされたのであった……。
 うーん、心温まるいい話だ。(どこがだ!)