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 躾は最初が肝心なのだ!
         ―牛とて人を見るなり

 最近、1頭の牛が私に対して反抗的である。
 その牛は、わが家でたった1頭の経産牛。自家用のために搾乳している牛だ。
 私はエサを与える前にまず、エサ箱をキレイに竹ぼうきで掃いて掃除をするのだが、その牛がいつもエサ箱の中に頭をつっこみ、掃けないように顔で邪魔をするのだ。
 最初のうちは「構って欲しいんだなぁ、きっと。甘えちゃってもう〜」などと呑気に考え、頭を撫でながら「ハイハイ頭よけてね〜」などと優しく接していたのだが……最近は洒落にならない状態になってきた。
 今思えば、そういう態度がまずかった! はじめから「頭ジャマ!」とビシバシ叩きつけて躾ておけばよかったのだ。
 その牛はすっかり私を「怒らない人」と認識し、完全に舐めてかかっている。そう、すっかり私をバカにして頭を振って殴りかかってきたり、どついてきたり、上着の端を口でくわえて私を振り回したり、鼻先でフンフンと挑発してきたりする。
 それでいて、容赦なくスコップで殴りつける父には完全に屈服し、おとなしくしているのだ! 搾乳中も非常に素直で人の言うことをちゃんと聞く。
 なのに私が目の前にいるときだけ態度がLLサイズなのだ!!
 むか〜! 牛のクセに生意気な〜!!(動物って人を見てるよなぁ……)
 私だって怒る時には怒るのよん! と試しに叩いてみたところ……牛、逆ギレ!
 まぁ〜暴れること暴れること……お前は親に甘やかされて育ったあげく、他人に注意されたことに逆ギレしてしまう未成年犯罪者か?!
 しかし牛も舐めきっていた相手にやられたのが、よほど悔しかったのだろう。
 が、私だって人間としてプライドがあるのだ! 負けてはいられない、負けてはいられない……がぁ! しかし同レベルで争うなんて逆にこっちの人間としてのプライドが許さない……。それにこのまま闘っていてはますます牛の闘争本能を刺激してしまう……仕方ない、作戦変更だ。
 というわけで「よしよし、いい子ちゃんね〜」と相変らず牛のゴキゲンをとっている私なのである。
 けっして、力負けしそうな牛相手に逃げ腰でいるわけではない。
 に……逃げ腰なわけじゃないぞぉぉぉっ!!