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 逞しき同業の仲間たち
         ―私自力で自宅出産した人も

 ホームページを開設して以来多くのネット友達ができたが、とりわけ同じ牛飼いの女性たちと知り合えたのは私にとって大きな収穫だったように思う。
 しかも後継者である私とは異なり新規就農で一から頑張っている人が多いので、その経験談も非常に刺激的だ。
 特に病院はおろか診療所も助産婦もいない辺境に住むCさんなどは、何時間もかけて通院・入院するのが面倒だからと自力で自宅出産してしまった。
 産む姿勢は膝立ちだと力みやすいし、出てきた赤ちゃんを片手で受け止められるのでお奨め!! だとか。場所は風呂場だと掃除が楽でいいよ! だとか、へその緒だけは旦那に切ってもらうのがいいかも〜……などとアドバイスをされると独身の私などはクラクラしてしまう。
 その方は今年も自宅出産に挑んだが「今回は子どもたちも手伝ってくれると言うし心強いわ〜」などと余裕をかましていたが、子どもの頃から幾度となく牛の出産の手伝いをしてきた私などは「まさか子ども達……牛の出産の手伝いと同じように考えちゃいないだろうな? 手と頭がでてきたら、掴んで無理やり引っ張るとか……(汗)ぎゃー!!」などとつい余計な心配をしてしまった。(余談だが「鉄腕ダッシュ」のヤギのマサヨの出産シーン……傍らで必死で「がんばれ! がんばれ!!」と声をかけるだけのセイを見て、見てないで早く引っ張れや! 足も頭もでてるのによう、などと思ってしまったのは私だけだろうか?)。
 まぁ、無事に元気な子どもが生まれたからいいが、まったくさすがは都会ッ子ながら、ド田舎で牛飼いをしよう! というだけある人だと感心してしまう。その心は細かいことを気にしない、北海道の大地のように広く……大雑把だ(笑)。
 だいたい他の皆も似たようなもので、たとえば離農した空家に住んでみたら大風で屋根が飛んでしまったが、金も暇もないのでとりあえず青いビニールシートを貼って一時的に雨を凌ぐつもりが、そのままこの厳しい道北の冬を越してしまった人やら、内地生まれの内地育ちのために屋根の雪下ろしをしなくてはならない、ということに気づかず、気がついたら家1軒そのものがカマクラになってしまったと笑う人やら、せっかく田舎にきたのに今風の家なのが気に入らない! と、わざわざ牛舎の2階に自分の部屋を作ってしまった人……と逸話を数え上げればキリがない。
 だが、けして楽ではない仕事や生活をのほほんと楽しんでいる人というのは、なぜだかとても魅力的に見えるものだ。そんな彼女らと交流を持てたことに私はとても感謝しているのである。
 ……だから、「暇さえあればコソパンばかりして!」と怒らないでくださいお母様。ちなみに私が夢中になってるのはコソパンではなくパソコンです。間違わないでね〜!