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 憧れの田舎暮らし!!
         ―遊び心あふれた手作りマンション

 去年の話になるが、ネットで知り合った道北の同業者S牧場に遊びに行ってきた。
 そこは離農した土地屋敷に新規就農した酪農家なのだが、私はその改装された家に一歩踏み入れた途端に心を奪われた……。
 まるで居酒屋みたい!! 当家のSさんは『ペンション』と言ってよ! とこだわっていたが、裸の古ぼけた大黒柱には東南アジアを旅したときに買ったという帯などがぶら下がり、趣味の民族楽器などが並べられていてなんとも不思議な無国籍風の空間だった。
 インテリアだけでなく、その家は内装を業者に頼まず奥さんが1人ですべて手作りしたステキな家。壁は一面に横長に板を並べて打ち付けもちろん床も板張り……しかも本物の木材だから温かみがある。これは普通の合板を使ったフローリングには出せない温かみである。釘の打ち方が均一でないのもご愛嬌だ。
 それにトイレも扉もすべて板張りで、扉の取っ手の部分は木の枝を利用して作りつけてあるのだ!! おお〜と感心していると本人いわく「ドアのノブが壊れていて使い物にならなかったし……買う金が勿体無かったので山で拾ってきた枝を使った」という(笑)
 そしてトイレの壁にもやはり牧草地で拾ってきたという鹿の角が飾られ、それがしかもトイレットペーパーのホルダーとして利用されているのだから笑った。だって遊び心がいっぱいで楽しいんだもん!!
 天井を見上げると白樺の枝に電球がとりつけられている。これがまたなんともオシャレなのだ。
 居間に戻ってふと照明器具に目をやると……なんと! 昔ながらの裸電球をぶら下げる二股ソケットではないか!! いまどき珍しいが、古臭さや貧乏くささがない。何故かと言うと、これがまたアイデアというか、センス1つでこうも変わるか……って感じなのだが、今は裸電球でも昔ながらのやや縦長の電球ではなく、ほぼ球体に近い大きな電球があるが、あの丸い電球を2つ並べてつけてあるのだ。形としてはサクランボみたいで妙に可愛いしキマッテル!私は思わず「その手があったか!」と唸ってしまった。(笑)
 私が自分の部屋に裸電球の2股ソケットがぶらさがっているような古い家に住んでいる頃は、バカ正直に1つは普通サイズの裸電球で1つは常夜灯用の小玉をつけていた。この明かりの貧乏臭さが情けなく、ホームセンターで蛍光灯を買って取り付けなおそうかと考えてばかりいた。そうこうしているうちに新築することになったが、ちょっとのアイデアで金をかけずにこんなにもステキなインテリアに化けさせる方法ってあるんだなぁ……と目からウロコがおちた思いだった。新しけりゃイイってわけじゃないねぇ。古い家を自分で改装する楽しみってあったんだなぁ。うーん、ちょっと羨ましいゾ。
 なまじ新しい家だと下手に手出しできない。棚一つ作るのも家族会議もんですからねぇ(汗)
 家にはお金をかけなかったがそのぶん投資したという牛舎はなかなか。その中で仔牛育成用の柵がこれまた奥さんの手作りでまたまた可愛かった。
 いや〜……すばらしかったS牧場。ひとしきり見学させてもらい、私もすっかり都会から逃れて田舎で新規就農してみたい! という気分になってしまった。もともと田舎で農家なのに……あれ?!(笑)