2002年11月号     1月2月 | 3月 | 4月 | 5月6月
| 7月8月 | 9月 | 10月|11月| 12月  top
 



 


 牛肉ならぬ……牛偽造事件?!
        

 現在、わが家では搾乳用のホルスタインの育成と、ホルスタインに黒毛和種を掛け合わせたF1と呼ばれる種類の肉牛を肥育している。
 肥育の方は言うまでもないが、育成牛の方は、仔牛を買ってきて大人になるまで育て、妊娠させてもうすぐ出産……という頃に市場に出して売るのである。
 ところが今年、その中にいっこうに発情の兆候が見られない牛がいた。
 まぁ、最近の牛はなぜかどれもおとなしく、昔のようにいかにも「んも〜アタシ発情期を迎えましたっ!!」と言わんばかりに鼻息荒く暴れる牛もいないので、なんとなく発情じゃないかな? と思われるときに、授精師さんに鑑定してもらい、よければ種付けしてもらうのだが……おかしいおかしいと思っていたら、鑑定の結果、1頭だけメスではない牛が紛れ込んでいた。
 そう、メスではない牛が。
 じゃあオスだったのか? おいおい牛飼いのくせにオスとメスの区別もつかんのか! と笑ってはいけない。オス牛ならわからないわけがないではないか。
 その牛はフリーマーチンと呼ばれる牛だったのである。
 フリーマーチン。それは男女の双子で生まれたメス牛のことだ。
 牛の場合、なぜか男女の双子で生まれたメス牛には生まれつき生殖能力がないのである。もちろん絶対ないというわけではないが、ほぼ99lダメなのだ。
 この場合、メス牛として市場に出してはならない。ちゃんとフリーマーチンとして売らなければならないのだ。フリーマーチンをメス牛として売るのはハッキリ言って詐欺だ。
 メス牛は生殖能力があり初めて価値があるのである。あたりまえの話だが牛だって出産を経なければ搾乳できない。わが家もメス牛だから高い金をだして買ったのであって、搾乳牛になれないフリーマーチンだとわかっていれば誰も好き好んで買いはしない。
 その牛は仕方ないので肥育することになったが、どうせ同じ手間ヒマと経費をかけるなら太り難い体質で肥育に向かないホルスタインよりも、よく肥え肉質もいい和牛やF1を肥育した方がよっぽど利幅がいいからだ。
 この件、流通段階でなんらかのミスがあったのならば仕方ないが、最悪な話、二束三文のフリーマーチンをわざと高額なメス牛として市場に出した「確信犯」だったら嫌だよなぁ。そんなどこかの悪徳業者みたいな農家がいるとは思いたくないが(笑)
 まぁ、今年から全国統一で耳標による牛の管理制度が導入されたのでもうこんなトラブルはないはず。
 愚痴ったところで仕方ない。とりあえず大事に育てて出来るだけイイ肉牛に仕上げよう。がんばるぞ!