2001年2月号    ● 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 ●  top
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世にもみずみずしい話

   ―父はインチキ予言者

 
今日は旭川特別市場の日。
 わが家では育成牛を孕みにして売る。これを初妊牛というのだが、ちょうど出産予定日が近づいた三頭がいるので農協の家畜車に運搬を頼み、父が朝の牛舎仕事もそこそこに旭川の市場へと車を走らせた。
 出かけ際、父の第六感は何を感じ取ったのか、「昼になったら必ず一度は牛舎の点検に行け!! 水のトラブルだって早めに発見するに越したことはないんだからな!!」と口を酸っぱくして私に忠告を残して行った。
 そしてその予言(?)は見事に的中したのである!! 
私が牛舎へ足を運ぶとそこは一面の水浸しであった!!
 なんじゃこりゃ!? 足元に流れ来る水は処理室からこんこんと溢れている。
 見ると搾乳機械の管の一部が抜け、そこから水が噴出しているのである。こうなると差しなおそうにも水圧が手伝ってなかなか差し込めないし、吹き出る水は体にかかるしで大変難儀なものだ。仕方ないので一旦、ポンプの電源を切り、管をお湯で温めて柔らかくしてから差しなおした。
 これでもう大丈夫。ただ水浸しになった床をなんとかしなければ凍って大変なことになってしまう。鋸クズを撒いて水を吸わせてから掃き集めて捨て、さらにゼオライトを撒く。これで一安心である。
 ところが水のトラブルはこれだけではなかった!!
 牛に常時食べられるように与えてある牧草が少ない気がしたので足してやろうとエサ箱に目をやると……そこがブラックホールのように暗いのである。ん!? よく見ると……。
 み……水が溜まっている!! そういえば、よく耳を澄ますとジャージャーと音がする。いや、実は先ほどから水音には気づいてはいたのだが……誰だって牛のオシッコの音だと思うではないか!!(←そうかぁ? (^^;)
 あわてて水音の先へ目をやると……ああ!! 出てる! 出てる!! 溢れてる〜!! ウォーターカップから派手に水が!!
 どうも牛が遊び半分で水を出してるうちに、そのカップのポンプ部分がイカレてしまったらしい。急いで元栓をひねり、ポンプ部分を何度か押してるうちに直りはしたが……
 問題はこのエサ箱にたんまり溜まった水である。あーあ……(涙)
 エサ箱は一列約三十頭の牛が並んで繋がれてるぶんの長さを誇る。高さは30aくらい。
 そこに溜まった水の量は半端ではない。
 大きな台車に水をバケツで汲み入れ、外に運び捨てる。 この作業を黙々と一時間ほども行っただろうか? ようやくエサ箱はキレイになった……。いったい何台ぶんの水だったのか……それは定かではない。つ……疲れた!!
 どうでもいいが、父の予言が見事的中したかに見えたこの一件。だがよく考えると、このイタズラした牛のウォーターカップはふだんから要注意で、朝晩に飲ませた他は水が出ないように栓を閉めているのだ。今朝は父が時間に追われて栓を閉めるのを忘れていただけの話だ。ちなみに搾乳機械の管理も父の仕事である。
 この水のトラブル、二つともアンタの不注意じゃん!! 父!!
 このインチキ予言者め!ぷんぷん!(>_<) あ〜エライ目にあった! <>>