2001年1月号    ● 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 ●  top
 7月 | 8月 |9月 |10月|11月 12月




  バナナで釘を打たないと
    ――なまらしばれる毎日で牛舎は大パニックなのだ!!

 ここ数日のしばれはすごかった。
 なんでもNHKの「今朝6時の気温」によると先日は氷点下32・7度を記録したとか……!!
昔はマイナス25〜30度くらいの寒い日がよくあったのだが、ここ十数年はここまで冷え込む日はかなり少なくなっているような気がする。
 今はどうか知らないが、ちなみに私の小学校時代はマイナス25度で一時間、マイナス30度ならば二時間遅れの登校になった。
 だから当時はテレビで発表される「今朝6時の気温」に全校生徒が期待と不安をもって注目していたものである。
 で、30度を越えていたら改めて寝なおす(爆)なんせ時間はたっぷりあるのだ。
 一番辛いのはマイナス29・9度なんて時である。たった0・1度でも決まりは決まり。はっきり言ってマイナス25度を過ぎた時点で30度まで行かないなら、それはもう無駄に寒いだけである。まったく勘弁していただきたいものだ。
 さて、子供時代のことはともかく、ここ数日のわが家はパニックだった。といっても住宅はいたって平穏、問題は牛舎なのである(おそらく他の酪農家も大変だったのでは……)。
 まず当然の話だが、水が出ない!!
 本牛舎は牛が多いために滅多にしばれることがなく、水落しをしていないのだ。水落しをしていた奥の牛舎もウォーターカップのポンプ部分が凍って動かないのだから大変だ。お湯を沸かしてポンプ部分にあてたタオルに熱湯をかけてシバレを一つ一つ融かしていかなければならない。
 ところがだ。牛舎には大きな水槽があるので、お湯を沸かすための水には困らないのだが、肝心のガスがしばれてなかなか火がつかないのである!! ん、もう、手に負えないとはこのことだ。
 仕方ないので牛舎内をジェットヒーターをガンガン焚いて暖め、とりあえずガスの点火に成功。その後は繰り返しお湯を沸かしながら水道や搾乳に使い、わが家の朝の牛舎仕事は滞りなく進んだ……と言いたいところだがぁ!
 今度は牛のエサである牧草のロールを倉庫から運んでくるためのトラクターが、このしばれでエンジンがかからない!! ときた。
 あわてて充電器で充電し、ジェットヒーターで車体を温めて、ようやくトラクターは動いた……。
 しかし話はここで終らない。ホッとするのもつかの間、今度はバンクリーナーが動かなくなっている。バンクリーナーとは牛の糞尿をベルトコンベア風に外の堆肥場へと自動で運び出し捨ててくれる便利な機械である。
 これが動かないのは牛の糞尿がカンカンに凍ってしまったのが原因。私はただひたすら無心でウ○コを叩いてまわった……。しくしく。
 こんな調子で朝の牛舎仕事が終ったときには、もう世間はお昼になっていた。道理で腹がへるはずだぁ……脱力。
 おそるべしマイナス30度の世界……。
 しかし、この極寒の北海道を知らないインターネットでの友人たちは呑気にも言う。
「マイナス30度なら、やはりバナナで釘をうたないと!!」
 そんなヒマあるかい!!