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下敷きちゃん、気をつけて ―牧草ロールにまつわる危険なお話 さぁ! 毎年恒例の牧草時期がやって来たァ〜!! 酪農家にとってはこの採草こそが夏の目玉仕事!
牧草の良し悪しは天候で左右されるので、この時期の酪農家はみな、天気予報マニアに変身する。カラリと晴れた青空の下、芳しい朴の木の花の香りの風に吹かれて行うこの作業は大好きな仕事だ。 しかし去年は牧草時期の最中に父が頚椎骨折してしまって大変だった。牛に与える為の牧草のロールを専用のカッターで切っていて、高さ1・5bの牧草ロールの上からコンクリート床に転落してしまったのである!! ロールは円形で不安定だし、これはけっこう危ない仕事なのである。 しかし、危ないのは人間だけではない……。 これは一昨年の出来事だが、ある日、牛舎へ入るとどこからともなく変な泣き声がするのである。どうも猫のようなのだが、それにしては鳴き方がおかしい。わが家で飼っている猫たちの声とは違うようなのだ……。 鳥のカケスが、よくこんな鳴き方で猫のモノマネをしているので、その声かとも思っていた。だが、どうも聞こえてくるのは空の上からではないような……???? 不審に思ってアチコチ探したが声の主は見つからない。 不思議に思いつつも疲れていた私は、牛に牧草を与えた後、一休みのつもりで牧草の上に腰掛けた……すると! ウ○コを踏ん張ってるような猫の声が確かに、確かに私の尻の下から聞こえるではないか。ま、まさか!!(汗) この牧草の下敷きになっているのでは?! 私はあわてて牧草の上から飛びのいた。 この牧草のロールはその日の朝に切ったばかり。直径1・5bのロールの半径を切って広げた時に、ちょうどすぐそばにいて下敷きになったのだろう。広げられた状態の牧草は、幅1b強、長さ4bぐらいの長方形を何層にも重ねた状態で、高さは1b弱といったところか……私ひとりでそう簡単にめくってみれる状態ではない。重さだって200`はあるだろう。しかし確かにこの下に猫がいる。しかも今にも死にそうな声で鳴いているのだ!! 私は急いで父を呼び、2人で持ち上げようと試みたが、やはり重い。 仕方ない、2人で声の聞こえるあたりの牧草をどんどん引きちぎり、軽くなったところで持ち上げた。すると……やっぱりいた! まるでカエルが車に轢かれて潰れたような姿でダイアジノン(猫の名前)ちゃんがへたばっている。 わー! 大丈夫か!! ダイアジノンちゃんはヨロヨロと立った。そして酔っ払いのような千鳥足で一目散に牛舎の流しに走り、浴びるほど水を飲んでいた。無理もない、その日は猛暑。牧草という重い布団の中、一日中飲み食いできない状態だったのだ。 うう、可哀想に!! だが彼女は特に怪我もなく、どうも懲りていないらしく今も元気に危ない所で遊びまわっている。 この一件からダイアジノンちゃんはわが家では「下敷きちゃん」と呼ばれているが、これを教訓に何事にも注意を払い安全な仕事をしたいものである。(でもそうすると 「ぐうたら日記」のネタがなくなるかも?!) |
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