2001年11月号     1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月   top
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 青いのにブルーじゃない?

         うーん、謎めいている

 今年はペンキ屋さんに頼んで、何年かぶりに牛舎や車庫、農舎など何棟もの屋根の塗り直しをしてもらった。
 なんせ古びた建物なのでもうすっかりトタン屋根の塗装も剥げて錆び始め、雪が滑り落ちにくくなっているのだ。おかげでここ数年は冬の間の屋根の雪下ろしが大変だったのである。
 まぁ、塗る面積が半端ではないので金もかかるが下手に安いペンキを使われては一冬で雪と共に塗装が落ちてしまうから仕方がない。少々値段ははるがいいものを塗ってもらった。
 おかげで立ち並ぶ牛舎や納屋の屋根はつやつやピカピカして、光が反射して眩しいことこの上ない。まるで親戚のオジサンの頭みたいである。これは雪も滑りそうだぁ〜♪……などと感心していたらペンキ屋の兄ちゃんが滑った。
 そして派手にバウンドするように牛舎の脇の土手へと落ちたのだ! うわ〜!! 千葉真一率いるJACのアクションシーンみたい。カッコイイ〜! なんて呑気に喜んでる場合ではない。
 おいおい、生きてるか?(汗)
 幸い、落ちた兄ちゃんは打撲程度で済んだが、下手に死なれでもしたら大のオカルト嫌いの私は金輪際、何か出そうな夜中に仕事ができなくなってしまう。まったく命綱くらいつけて作業していただきたいものである。
 それはそうと、これはペンキ屋サンには内緒だが、納屋の屋根を塗ってる最中に父は突然、家の中で怒り出した。
 「なんだ?!納屋の屋根!! 青色を塗ってるじゃないか! 約束が違うぞ!!」
 え? それはどういうこと? ペンキ屋さんたら、父の希望どおりの色を塗ってくれていないの? なんだそれ!(怒)
 「ちょっと、それ、馬鹿にしてるね!頼んでお金出すのはこっちだってのに」
 私も一緒になって怒って父に訊ねた。
 「で、本当は何色を塗ってって頼んだのさ。塗り直してもらおうよ」
 しかし父の答えは私の頭に冷水を浴びせた。
「いや、俺は別に何色でもいいんだ。だから塗り直さなくてもいいが……でも、向こうが先に『ブルーでいいですか?』って聞くから俺も『そうだなぁ、ブルーがいいな』って答えたのに」
 ……?、お父様、ブルー……って、……(汗)ブルーって青でいいじゃん!!
 父は驚いて声をあげた。「ブルーって……青なのか!!」
 おいおい(汗)いったい父はブルーを何色だと思っていたのだろうか?
 私がしつこく訊ねると「うるさい、俺は年寄なんだから英語はわからんのだ!」と言い出す。
 釣りに行く時は「もう年なんだし危ないから辞めれば?」と言われても「まだまだ若いから大丈夫だ」と言うくせに、都合が悪いときだけ年寄りになるのだからまったく調子がいい。
 うまく誤魔化されてしまったが、父の頭の中で納屋の屋根はいったいどんな色に仕上がる予定だったのであろうか……謎は深まるばかりである。