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 悪役シャドーメイク

         ―小豆の豆落としにみる隈取り


 カボチャもジャガイモも片付け、島立てして乾いた小豆を農舎に運び入れ終わった。これでもう外仕事なし!  後は農舎で豆落としだけ、やった〜!!
 しかしマメ落としと言えば避けて通れない重大な問題がある。それは小豆から出る埃・粉塵の凄さである。(今年はそれほどでもないだろうが、雨の多い年は特にすごい!)
 まず通常の人ならば間違いなく鼻炎になるだろう。シンクロの選手がする鼻つっぺ(本当はなんて言うの? あれ)が欲しいくらいだ。
 もちろん屋内で作業する際にはマスクは必需品である。それでもマスクは真っ黒、なぜかマスクでガードしていたはずの鼻の周りも真っ黒! まるで某テレビ局のモノマネ番組にこれから北島三郎のモノマネで登場しようとしている芸人みたいである。
 ここまで書けば、いかに乾燥した小豆の粉塵がひどいかおわかりであろう。
 だからこの仕事をすると必ずと言っていいほど人相が変わってしまう。どんなタレ目の人の良さそうな顔立ちの人間でも、黒い粉を被るだけでも素晴らしい悪人面になれるというのがよくわかる。まさに時代劇に登場するシャドーの濃い悪役メイクそのものだ。
 特に目もとの隈取り具合は素晴らしい。これに紅色を加えれば今すぐにでも歌舞伎の舞台に立てそうな気さえしてくる。
 しかも鏡を見ると、いかに自分が険しい顔で働いていたかよくわかる。シワが深いぶん(!)粉の溜まる量も多い。そう、シャドーが濃いのだ(笑)。
 眉間の縦ジワなどは、いかにもな極悪ぶりが伝わってきそうな感じで、どうにもいただけない。
 やはり何事も笑顔で取り組まなければ……しかしだ。私は去年、試しに笑顔を絶やさず働いてみたが、やはり悪役シャドーメイクで笑いジワというのは無理がある。
 善人そうな顔とは程遠い、何か企んでいるような……そんな顔に仕上がっていた。
 うーん、恐るべし小豆の豆落とし。できれば人に見られたくない姿である。