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 食欲大魔神・ペコちゃん登場

         負けじと金網包囲網大作戦

 自分の畑で育てた、もぎたての新鮮野菜を食卓に並べる……それは農家のみならず趣味で家庭菜園を作っている人にも共通する喜びだろう。
 わが家もその例に漏れず、真赤に熟した香りの強いトマトや辛い南蛮に舌鼓を打っている。
 ところが自家野菜の収穫と時を同じくしてがぜん悪さを働き出す「困ったちゃん」がいる。その名はわが家の食欲魔神・ペコちゃん! 猫好きに人気の高いアメリカン・ショート・ヘアー……の偽者みたいな柄のメス猫である。(要するに雑種)。
 このペコちゃん、普段は甘えッ子ですごく可愛いニャンコなのだが、困ったことに新鮮なキュウリが大好きなのである。それも畑でたわわに実った状態のモノに目がない。どうもあのシャキシャキっとした歯ごたえがたまらないらしい。
 当然、わが家の野菜畑のキュウリはペコちゃんの歯形で見るも無残なボロボロ……これでは肝心の人間様が食べられないではないか!
 いやぁ〜……丹精こめてキュウリを育てた母は怒ったね! 派手に両手を振り上げてまるで漫画みたいなポーズでペコちゃんを怒りまくった。その姿はまるでメロンを食い荒らした24匹ものカブトムシをすべて踏み殺したときの母のようである。(カブトムシは売ればいい金になったのに……、私としてはメロンよりその方がもったいなかったが)しかし、さすがの母もカブトムシは踏み殺せても可愛いペコちゃんは踏み殺せない。(というか、ペコちゃんもおとなしく踏まれてはいないが……)
 おかげでいくら怒っても、ペコちゃんは母の目を盗んでキュウリを荒らしつづけた。
 だが、そこで黙って負けている母ではない。自慢じゃないが母はタヌキとの戦いに勝利した実績を持つ女である。
 (みなさん覚えてますか???)
 母はガラクタだらけの納屋から手ごろな大きさの金網を見つけてきて、キュウリの周りを完璧に囲って猫の侵入を塞ぐ手段に出た。それはまるで動物の檻。これならペコちゃんだって手も足も出まい。
 それから数日、予想通りこの「金網包囲網大作戦」は大成功を納めた。わが家のキュウリは無事にペコちゃんの歯型から守られたのである! ばんざーい!
 しかし、しかし! ここで新たなる問題が!! それは人間の私にも収穫不可能だという事実である。がーん! これじゃ本末転倒だぁ!
 ちょっと、母さん、なんとかしてよ! この金網ィ!!
 仕方ない、この金網の上の方はペンチで外して腕を伸ばせばキュウリをもぎれるようにしておこう……。うむ。これなら収穫できるぞ。
 だがしかし! 人間が収穫しやすいスペースを空けたということは……猫のペコちゃんもその金網の中に忍び込めるスペースが出来たということである。おかげでわが家のキュウリは再びペコちゃんの歯型だらけに……。
 かくして我々人類は猫のペコちゃんの前にもろくも敗れ去ったのであった。く……屈辱だ!!!