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 収穫のかげに死闘あり

         「窮鼠猫を噛む」ならぬ……

 今年は例年に比べてカボチャのハネ品が少ない。実の数こそやや少ないが、どれも重くてデカイ立派なカボチャなのである。
 しかもネズミや害虫の被害もほとんどなく、結局は例年以上の収穫量だったように思う。これは嬉しい誤算であった。
 カボチャはご存知のようにツルを伸ばして畑中に広がってゆく作物だ。だから生育途中にトラクターで畑の中を走り回るのは非常に困難になる。下手をするとせっかく実を付けたカボチャをトラクターで踏みつけて台無しにしてしまう怖れがあるからだ。
 それで消毒や防除など農薬の散布をあきらめることが多いのだ。
 そのせいか数年前などは害虫の被害が多く四割方をハネ品として生食用から加工用に廻すハメになった。
 この害虫、「夜盗」と呼ばれる茶色い青虫のような虫で、なんでも名前の由来は昼間は地中に潜って眠り、夜に葉や実を食べてしまうかららしい。
 まあ、その年は夜盗に食われたわ喰われたわ!
 その喰いっぷりときたらネズミも真っ青! カボチャの中身までしっかりと喰い尽くし、がらんがらんの空洞で、そのままハロウィンのお化けカボチャが作れそうな状態であった。
 そして今年。
 夏に草抜きに畑に入ったときにも夜盗はいた。
 この夜盗を生かしておけば、また数年前の二の舞だ。これはもう、見つけるたびに殺さなければならない!
 実を言うと私は本来、虫は大の苦手だったのだが、そんな甘っちょろいことを言ってる場合ではない。私は草抜きに来たんだか、虫を殺しにきたんだかわからないくらいの勢いで夜盗を次々とつまんで握りつぶした。
 しかし夜盗大虐殺を繰り返す私にヤツラの反旗がひるがえった!!
 急に私の背中に形容し難い痛みが! 擬音に表わせば「ジクーン!!」と言ったところであろうか。
 あわてて患部に手をやるとなにやら手ごたえが……服の中に手をいれて取り出してみると……なんと夜盗!!
 私は夜盗にかじられたのだ!! おいおい、お前ら草食じゃなかったのか? あたしの肉を食うな、あたしの肉を。
 これはマジで痛かった。虫に刺されたなんてもんじゃない。例えて言えば蜘蛛にかじられたぐらい痛かったのだ!(と言ってもあんまり蜘蛛にかじられた経験のある人もいないような気がするが……)そういえば数年前に青虫に噛られたときの痛みにも似ている。
 まあ、堅いカボチャをバリバリ噛る要領でやられたのである。そりゃ蚊に刺されたぐらいの痛みとは格が違うわな……。
 侮りがたし夜盗。「窮鼠、猫を噛む」ならぬ……窮夜盗、私を噛む……小さな虫と言えども油断は大敵なのである。
 そして、私の身を挺した夜盗との戦いが効をそうして、今年はこの収穫量となったのである。(たぶん)
 うーん、えらいぞ、私!!(誰も褒めてくれないのでとりあえず自分で……)