南士別から学田にかけての丘陵地。昭和11年頃、スキー楽しむ市民(写真・博物館提供)
 今では観光バスも立ち寄るほど有名になった「しべつ霊園」。ここはかつては畑地、草地が混在していたなだらかな丘陵だった。
 市街地にある東山墓地の周辺が急速に宅地化したことから、墓地の移転先探しが始まった。
 墓地とはいえども都市施設。市街地から近く、面積が広い、眺望もある―といった条件に合致したのが、この南士別の丘陵地だった。
 昭和五十一年に造成を開始し、移転が行われてきている。
 面積は約十五f。ここのすべての墓がおさまれば、約三千基が並ぶ。現在までその六割の千八百基の移転、新たな建立を終えている。
 ここを世に知らしめているのは、その規模の大きさだけではない。シーズンに応じて色とりどりの花が咲く。コスモス、芝桜、ジャーマンアイリスなどである。
 士別の市街地を望む丘陵地が、旧来の墓地のイメージとはほど遠い明るい雰囲気の風光明媚な新名所に生まれ変わったのである。夏になれば、観光バスが立ち寄り、バスガイドさんがPRする姿も見られる。
 周辺には高校や陸上競技場もあり、夏に陸上の、冬には雪帽子に隠れる墓碑の横をクロスカントリーの選手が走り抜けていく。

現在の「しべつ霊園」。約1800基並ぶ。市街地が一望できる。夏には様々な花が咲き誇る。