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3.将来の財政見通しがカギに           地方交付税
自主財源割合の低い1市3町
 なぜ、市町村合併論議が必要なのか―となれば、この地方においては、財政問題が大きな要因の1つとなるだろう。
 国と都道府県、そして市町村の借入残高は99年度末で約600兆円とされる。
 この地域に限らず、道内の多くの市町村は自主財源の割合が低く、脆弱な財政構造となっている。
 そのため、地方交付税や国庫支出金など国に依存した財源割合が高いため、国が交付税を削減すれば、市町村の財政状況は一気に悪化してしまう。
 1市3町の02年度一般会計予算における地方交付税見込額の割合は、士別市が44・7%、和寒町が60・5%、剣淵町が57・1%、朝日町が38・2%となっている。
 逆に自主財源となる市・町税割合は、士別市が14・4%、和寒町が6・6%、剣淵町が5・4%、朝日町が4・9%と、かなり低い割合となっている。
 仮に1市3町が合併するとなれば、00年に行った国勢調査の概数から人口は3万3856人となる。
 道内でのこの人口の類似市町は伊達市(3万5036人)、根室市(3万3150人)、上磯町(3万5767人)など。
 この3市町の地方交付税割合は25%〜42%で、1市3町の合計をいずれも下回っている。
 また、市・町税についても1市3町よりは、かなり高い割合を占めている。
 合併特例法(有効期限05年3月31日まで)では、合併した市町村の地方交付税は、それぞれの市町村の合計額を5年間交付し、その後5年間は段階的に補正していくことになっている。
 つまり合併後10年間は、合併特例法の恩恵を受けることができる。
 しかし問題なのは、恩恵がなくなってしまう10年後以降の財政である。
 市の財政担当者は「1市3町の合併を想定し、10年後以降の財政をシュミレーションするのは、かなり困難。例え、今の段階で数字を算出したとしても、国の動向などによってその数字が現実とマッチするかは疑問」と話している。
 また、3町のある財政担当者は「特例法で1市3町の交付税合計額が交付されても、4市町に分けて交付税を使うわけにはならない。そうなれば、3町の地域振興という意味ではマイナス部分が多い」と指摘する。
 合併を論議していく上で、しっかりとした将来の財政見通しをたてるのは、必要不可欠なこと。
 その反面、合併の大きな要素となる将来の正確な財政見通しを、情報として住民に示すことの難しさもある。
 過疎化、高齢化など1市3町が共通した課題を持ち、さらには市・町税の自主財源が乏しい状況の中、負の遺産を抱えたままででも、財政的な合併のメリットを見いだしていけるのかが、これからの論議の重要なカギとなりそうだ。

02年度各市町予算           金額の単位は千円
市 町 名
予算総額 一般会計 交付税見込額 交付税割合 市・町税割合
1市3町
士 別 市
28,802,513
14,312,588
6,404,186
44.7%
14.4%
和 寒 町
7,150,087
3,931,000
2,380,000
60.5%
6.6%
剣 淵 町
6,605,650
4,408,000
2,519,000
57.1%
5.4%
朝 日 町
5,055,936
3,924,050
1,499,515
38.2%
4.9%
合   計
47,614,186
26,575,638
12,802,701
48.2%
10.3%
伊  達  市
26,768,012
14,513,775
4,920,000
33.9%
21.6%
根  室  市
25,332,640
17,860,000
6,221,840
42.0%
16.0%
上  磯  町
21,247,814
11,842,748
3,030,467
25.6%
30.0%
メ モ

 今回、例にあげた3市町とも市町村合併の研究会、検討会を庁内に設けているが、近隣自治体間での論議・検討は行われておらず、「合併論議の動きは鈍い」と言う。
 ちなみに、道が示している合併パターンによると、伊達市は大滝村、壮瞥町との合併で人口規模は4万0174人となる。
 根室市については別海町との合併パターンで、人口規模は5万1430人に。
 また、上磯町は大野町、七飯町との合併パターンが示され、人口規模は7万6164人となっている。