| 市町村合併の研究・検討を行う組織は、すでに1市3町がそれぞれに立ち上げている。
昨年6月には剣淵町で、今年2月には和寒町で検討委員会が立ち上がり、士別市は6月に、また朝日町も7月に研究・検討組織を庁内に設けた。
市町村合併に関した市民・町民の意識調査を1市3町で実施したのは、総合振興計画策定のため朝日町が行ったアンケートに、合併の賛否をその項目の1つとして盛り込んだだけで、具体的な意識調査はどこも行っていない。
ちなみに、朝日町の調査では、合併反対が53・9%という結果となっている。
行政による市町村合併の検討・研究組織が設けられ、様々な調査を行っている一方、合併に対する住民の意識は、おおむね否定的な印象を受ける。
特に3町での反対意識は強く、「町が衰退する」「行政サービスが低下する」などの不安が、合併に否定的な要素となっているようだ。
市町村合併に対する住民の理解を得ていくには、かなりの時間を要することになるだろうが、逼迫した財政状況のなかで、効率的な自治体運営を行っていくには、広域的な行政の展開が求められることになる。
1市3町での広域行政の取り組みは、おもなものとして事務組合として運営している消防行政、容器包装類の中間処理、介護保険の介護認定審査会などで、意外にその数は少ない。
最近になって、3町での生ごみ処理や、士別市と朝日町が共同利用する火葬場建設などが目を引く。
広域的行政の展開として、一部事務組合や広域連合を組織する方法もあるが、1市3町でこうした組織を設けているのは消防事務組合だけ。以前には、し尿処理を中心とした士別地方衛生事務組合があったが、下水道等の普及によってその役割を終えたとして、98年3月に解散した。
一部事務組合は、事務の一部を共同処理することを目的に設置するもの。
広域連合は多様化する行政需要に対応するため国からの権限委譲をを受け入れるための体制整備が、その目的となっている。
1市3町での広域行政の現状は、資源ごみの処理や同一目的による個別事業での共同作業といった、比較的限られた範囲での事業となる。
そのため、広域連合のような組織を設ける必要もなく、必要に応じた受託契約等の方法で充分に対応することができている。
裏を返せば、個別事業での効率性が求められるような行政課題であれば広域でも取り組むが、総合的な行政展開のなかで広域的取り組みをしようとする動きはない。
そんな状況下での市町村合併論議。境界線という枠におさまりながら運営されてきた行政と、そのサービスを受けきた住民にとっては、一気にその枠を取り払えるだけの意識の準備は、持ち得ないだろう。
近隣自治体でありながらも、行政的な交流が少なかったことが、市町村合併に対する住民の根強い反発を生みだしているのかもしれない。
いずれにせよ、1市3町とも財政的にはかなり厳しい局面を迎えてきている。
限られた財源で住民ニースにこたえるための行政運営を行っていくには、広域的な行政展開がすぐにでも必要なことだろう。
現在の取り組み以外にも、どんな事業が広域で取り組めるのか、合併の調査・研究とあわせて、1市3町で検討する場を設けていくことがこれから重要ではないだろうか。
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