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18.一般会計に圧迫回避への施策必要  一般会計からの繰出金

地味な項目にも論議必要

 過日、02年度の普通交付税額が地方自治体に配布されたが、この地方の自治体もご多分に漏れず軒並み前年度比で大きくダウンした。
 士別市で対前年比マイナス8・5%、朝日町、剣淵町、和寒町でも10%前後の減少となっている。額にすると2億円から5億円である。
 この減額が地方財政に与える影響は大きい。自主財源がとぼしく、公共事業に依存するこの地方では、地方交付税は頼みの綱でもある。
 その綱が使いすぎですり切れ始めてきた。国は切れてはたいへん、と手綱をしぼりはじめながら、網が切れないように長持ちさせようとしている。
 このシリーズではここ3回ほど合併にたいする推進施策、手順、1市3町の連携の方向性をたどったが、今回は財政面から繰出金をテーマにしてみる。
 この繰出金はある意味で地方財政の柔軟な運営を可能にする打ち出の小槌のようなものである。
 一般会計、企業会計などの特別会計の間を自由に移動できるからである。
 基金のように蓄えを取り崩していくのとは違い、ある程度まで予算枠を組んでおき、他会計の不足分を補う役割を果たしている。
 本来なら各会計ともに自賄いが理想だが、地方自治体の企業会計のほとんどは独立採算が難しい。自治体の裁量で枠の組める繰出金がなければ、とっくの昔に破たんしている会計もあるだろう。
 地方自治体の中で恒常的に繰出金の多い会計は病院と下水道である。
 平成13年度の決算でみた下水道会計では1市3町合計で約8億円(人件費込み)に達する。病院会計ではさらに増えて1市2町で11億円。国保や介護でも約4億円になる。
 もし合併し、現行のような職員構成と事業内容で会計を維持すれば、これらの繰出金合計は毎年30億円近くなるわけである。この他、簡易水道、上水道、介護サービス、老人保険、個別排水、農業集落排水などの会計も合わせれば、さらに繰り出しは増える。
 もちろん合併すれば、職員配置、事業内容の見直しをかけていくことになるだろうが、1市3町合併後の人口3万5千人にふさわしい繰出金の総額とはいくらぐらいになるものなのか。これらの試算も必要になってくるだろう。
 さらに特別、企業会計が苦しくなれば一般会計への負担も大きくなる。これを回避するために税率や使用料の引き上げも視野に入ってくる。
 これからしばらくも地方交付税はマイナスとなる可能性は高い。財政事情が厳しさを増していく中で、自治体財政に繰出金すら余裕がなくなった時、自治体は破たんする。
 財政を支えるこの種の財源確保をどうしていくのか、合併ありきの華やかな論議の前に、実はこの種の地味だが大切な論議も必要なのである。


主な一般会計からの繰出金

       (平成13年度決算から。国保、介護、下水道は人件費も含む)
 
【士別市】
 ■市立病院 平成13年度繰り出し総額 8億9千万円 このうち起債償還、救  急医療経費などの5億8千万円を差し引くと計3億2000万円。このうち  2億円が赤字補填
 ■国保会計 2億4千万円 ■介護保険 2億600万円
 ■下水道会計 4億4200万円

【和寒町】

 ■町立病院 1億4900万円 ■国保 6700万円
 ■介護 6900万円 ■下水道会計 1億2500万円

【剣淵町】

 ■町立診療所 5000万円 ■国保 4750万円
 ■介護 4864万円 ■下水道会計 1億3223万円

【朝日町】

 ■国保 3101万円 ■介護 5208万円 ■下水道 1億2944万円