| この欄で以前、地方自治体の繰出金について触れたことがある。これはたとえば一般会計から収入が不足がちな別会計にお金を移すことで、その別会計の収支を均衡に保とうという手だてである。
他方、基金は個人でいえば銀行預金のようなもので、その自治体の余裕のある資産ともいえるものだ。自治体は借金をしながら事業を推進していく一方、急場の支出やあるいは特定の目的を実施するために蓄えも必要となる。
この蓄えが底をつくと、何かの事業を行う上でも支障が生じたり、あるいは基金(預金)がないので、収入不足を補うために税率や各種の使用料を上げなければならないことにもなってしまう。
住民への行政サービスを過不足なく実施していこうと思えば、この基金の存在意義は大きい。
だが、地方交付税も削られるような時代である。この基金とて、自治体関係者は口をそろえて「もはや増える要素はない。目減りしていくばかりだ」と、その将来に悲観的。
この1市3町でも他の地方同様、ご多分に漏れず周辺の町はそれなりに基金を確保しているが、市では基金が少ないという構図である。
「このまま合併となれば、現在の基金をそのまま持参金として差し出すわけには……」と役場職員からは本音が漏れてくる。
まだまだ社会資本が不足しているので、どうせなら相当額を使い切って、市と調和できるような基金額にしてから合併に―との考え方も強い。基金を持参して、他の自治体の借金の肩代わりはご免というわけである。
とはいえ自治体は多額の借金も抱えていることは確か。合併となれば、この借金も持参していくわけだから、基金(預金)と起債(借金)にどのようなケリをつけてから合併に臨むことになるのか。
ここのあたりも合併を検討すれば、論議が必要な重要課題である。
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