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22.新たな再編法打ち出すか  合併特例法の期限切れ後

1万人未満は強制合併も視野に

 合併検討協議会の発足もなかなかままならない状況の中で、実は早くも合併特例法の期限が切れる2005年以降の新たな自治体のあり方について議論が始まっているのである。
 第27次地方制度調査会が「21世紀の地方自治のあり方」の検討に着手。これに連動するかたちで総務省の私的研究会「地方自治制度の将来像研究会」が「小規模町村のあり方」の素案をまとめている。
 すでにこれについては、自治体職員には周知の内容となっており、この地方のある自治体関係者は「地域連合の3町でも1万人に満たない。素案通り強制されたら、自治体の主権をおかす憲法違反じゃないのか」と危惧をいだく。
 その内容とは以下である。
 町村の最低人口を1万人とし、これに向け強制的な合併を推進する。これに満たない場合は市町村の行財政の権限を制約する。
 さらに人口3000人未満の市町村は自動合併する―とある。
 合併しない人口1万人未満の市町村は、憲法上の地方公共団体としての性格を取り下げ、「区」に格下げするというものである。
 たとえば朝日町は「北海道朝日区」のような存在となり、町としての自治体機能がなくなる。おそらくこれまでのようなきめ細かい町独自の行政サービスは受けられなくなる。
 合併特例法が切れると、今度は「市町村再編法」が打ち出されるのでは、と目されているが、同法の中に今回の素案の内容が盛り込まれ、制度化される可能性が高い。
 そうなるとこれまでの自治体の概念が大きく変わる。
 人口1万人を上回らない自治体は、自治体ではなくなる。
 そんなことがありえるのか。
 このままでは全国の半数の自治体は「区」に転落する。
 合併特例法の延長を望む自治体の声が強まっている中で、「特例法の延長はないよ」と先制を打たれたようなかっこうだ。
 法制化にはまだまだ先の話、というよりもこのような制度がすんなりと受け入れられるとは思えないし、市町村の声高な反発を生むのも明らかである。
 それでも自治体は合併しなければならないのだろうか。
 だとすればその理由は何なのか。
 合併しなければ国が滅びる、そこまで追いつめられるほど、わが国の国力は低下していくのだろうか。


メモ

 第27次地方制度調査会における全国町村議会議長会会長意見

(1)いかに小規模な町村であっても、今後とも基礎的自治体としての存在を認めるべきである。その上に立って、どのような組織で、どのような仕事を行うかについては、最大限、自由な選択を認めるべきである。
 その場合、「・地方の歳出に対する国の関与を廃止縮小し、地方団体の歳出面における自由度を高めること」、「・垂直補完及び水平補完とともに新たな広域行政システムの制度化を図ること」等を検討すべきである。
 竹下元総理の「ふるさと創生」以来、どんな小規模な町村においても、「自ら考え、自ら行う」−自治の精神は根づいている。したがって、一定の基準以下の小規模町村について、頭から、仕事と責任を小さくするという考えには反対である。かつて北海道に適用された二級町村制は歴史的な産物であり、今日のような地方分権時代に復活させようとすることは認められるべきものではない。
 まして、極めて小規模な町村であることを理由に都道府県の直轄とするとの考えは、論外である。住民生活にとっての基盤ともいうべき上水道、下水道、消防等を東京都に委ねている特別区さえ、基礎的自治体とされていることを考え合わせると、論外と言わざるを得ない。
(2)道州制の論議に当たっては、町村の存在を絶えず念頭において審議していただきたい。道州政府となると、官僚化が極端に進むことが懸念される。ぜひとも、そのようなことのないよう、制度的な仕組みを考えていただきたい。
 また、垂直補完を選択せざるを得なかった町村の場合、道州制となると、住民にとって行政との距離は極めて遠くならざるを得ない。このような問題が起きないよう、制度的な手当てを考えていただきたい。