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23.住民と行政のパイプ役を  市・町職員の取り組み

視点は常に「まちづくり」

 合併検討協議会の発足もなかなかままならない状況の中で、実は早くも合併特例法の期限が切れる2005年以降の新たな自治体のあり方について議論が始まっているのである。
 第27次地方制度調査会が「21世紀の地方自治のあり方」の検討に着手。これに連動するかたちで総務省の私的研究会「地方自治制度の将来像研究会」が「小規模町村のあり方」の素案をまとめている。
 すでにこれについては、自治体職員には周知の内容となっており、この地方のある自治体関係者は「地域連合の3町でも1万人に満たない。素案通り強制されたら、自治体の主権をおかす憲法違反じゃないのか」と危惧をいだく。
 その内容とは以下である。
 町村の最低人口を1万人とし、これに向け強制的な合併を推進する。これに満たない場合は市町村の行財政の権限を制約する。
 さらに人口3000人未満の市町村は自動合併する―とある。
 合併しない人口1万人未満の市町村は、憲法上の地方公共団体としての性格を取り下げ、「区」に格下げするというものである。
 たとえば朝日町は「北海道朝日区」のような存在となり、町としての自治体機能がなくなる。おそらくこれまでのようなきめ細かい町独自の行政サービスは受けられなくなる。
 合併特例法が切れると、今度は「市町村再編法」が打ち出されるのでは、と目されているが、同法の中に今回の素案の内容が盛り込まれ、制度化される可能性が高い。
 そうなるとこれまでの自治体の概念が大きく変わる。
 人口1万人を上回らない自治体は、自治体ではなくなる。
 そんなことがありえるのか。
 このままでは全国の半数の自治体は「区」に転落する。
 合併特例法の延長を望む自治体の声が強まっている中で、「特例法の延長はないよ」と先制を打たれたようなかっこうだ。
 法制化にはまだまだ先の話、というよりもこのような制度がすんなりと受け入れられるとは思えないし、市町村の声高な反発を生むのも明らかである。
 それでも自治体は合併しなければならないのだろうか。
 だとすればその理由は何なのか。
 合併しなければ国が滅びる、そこまで追いつめられるほど、わが国の国力は低下していくのだろうか。


メモ

 上川管内では、独自に市町村合併に関した研究を行っている市町村職員労働組合もあるようだが、上富良野町から占冠村まで5市町村の職員労働組合では、広域的な勉強会等を行っている。
 それぞれの市町村では、合併に対する温度差はあるものの、月1度の会合を持ちグループに分かれて合併のメリット、デメリットについて研究を行っているという。
 この勉強会の中心メンバーとなっているのが、若手の組合員。
 「できる限り、組合色に染まっておらず、住民の視線で合併を検討できるように」との理由である。
 今の市町村合併論議では、とかく行政コストのみを捉える傾向が強いことから、この勉強会では行政サービスやまちづくりなど、多面的な影響について検討を行っているとのこと。
 組合のある幹部は「合併による職員の削減は当然のことだろうが、大合理化だけがメリットとはならないはず。行政と住民の距離が遠くなるような合併であっては、そのまちに住む人たちのためにはならない」と話している